蘇 ページ1
遡れば 、数ヵ月ほど前 。
今でも不思議すぎて鮮明に覚えている話 。
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私は椚先生に頼まれて企画書を仕上げていた 。
うぅん 、こんなにも頑張っているのに 、
なかなか終わらない 。もう夕方 。
放課後の教室 、窓からはオレンジ色が覗いていた 。
夕焼けに照らされた教室が 、酷く綺麗に見えた 。
これは本気で終わらせないと夜になっちゃうかなぁ 、
なんて呑気に考えながら作業を進めた 。
「 うぅん .. 終わらない 。」
、机に突っ伏してぼんやりと窓を眺める .
日も落ちて来て夕焼けが赤く染まり始めた 。
すると 、
「 誰かと思ったら Aチャン ダ 。
こんな時間まで残ってたノ ? 。」
扉から声が聞こえてぱっと起き上がる 、
跳ねるような語尾にどこか懐かしさを覚える 。
驚いてしまったのを落ち着いたように 、
「 まぁね .. 、夏目君も こんな時間まで残ってたんだね 。今日はどのユニットもレッスンがなかったけど何かしてたの . ? 。」
なんて問い掛けた 。
「 いやァ 、? 特に大したことはしてないけド 。」
上手に濁されて聞くに聞けなかった 。
別に彼がどんな理由で残っていようと私には関係ないからね .. 。
「 なにしてるノ ? 。」
「 企画書仕上げてるの 、」
なかなか終わりそうになくってね . なんて付け加えてへらりと笑いながら言うと 、
彼が柔らかく微笑んで 、
「 頑張り屋の Aチャン に プレゼント 。」
なんてぽんっと手から花を一輪出した 。
渉先輩みたい に 何処から出したかわからない花を私にくれた 。
私には似合わないくらい綺麗な花 。
「 綺麗な花だね 、これ なんて名前なの ? 。」
、知りたがりな 好奇心 が ひとつ 。
「 内緒 。気になるなら当ててみてヨ 。」
「 なぁに . .. それ 。」
この花を育てていくうちに愛着が沸いて 、
枯れてしまったときに 、買えなくなってしまうじゃない 。
なんて心の中に残る 、もやもやした気持ちを抑え
彼と軽く話した 。
彼と話していると何処か懐かしさを感じ安心する 。
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作者名：瀬俐 . | 作成日時：2020年1月27日 20時
