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────── 「この脚本を書いた人物を我々で見つけ出さないか！？」
「これを書いた人物を…？……それは。……」
「俺はこの物語にとても感動をした！最後は魔物と人間が手を取り合い、仲良くなって仲間に入れてもらう。素晴らしい話じゃないか！たしかに類のいったように、最終局面に至るまでは暗い話だが…」
「…………」
確かに、司くんの言う通り感動するような物語だった。最後は魔物も人間も手を取り合い、仲良くなって仲間に入れてもらう…そんな内容だ。
けれど───────。
「詮索は、やめたほうが良いんじゃないかな」
「なっ……！」
「元々これは忘れ物────と言っていいかわからないけれど、置いてあったものを司くんが勝手に持ってきたんだろう？こんなに丁寧に作り込まれている脚本がそもそも、ここの生徒が書いたものとは限らないし────何より、勝手に読んでしまったことに、なんとも思わないのかい？」
「あ………」
「これを書いた人……或いは、演じる上で持っていた人はきっと、静かにして欲しいんじゃないかと僕は思う。興味がない…といったら、嘘になってしまうけれど…そう簡単に都合よく見つかるとも限らないよ」
「それは……そうかもしれんが……」
「それでももし、見つけたいっていうのなら僕は止めないよ。けれど、忠告はしたから、あとは司くんの自己責任さ」
「………！わかったぞ。類。俺は必ずこの脚本家を見つけ出す！！！！！！」
「おやおや、一言も僕は"そうしろ"と言ってないんだけれどねえ…」
「手始めにまず、放課後空き教室を観察することにしよう！！！」
「……フフ。まぁいいか。(あんなに張り切ってる彼に、これ以上水を差すのも悪いしね)」
(だけど──────)
この台本には、もっと複雑な心情や葛藤があると思ったのは、僕だけなんだろうか？
続く
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作者名：たすく | 作成日時：2024年3月12日 13時
