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「へぇ…そんなに人気だったんですね…って、え？もしかして…」
「うん。これをもう一度観たいなって」
「別にいいですけど…相葉くんは本当にいいんですか？」
「もちろん」
「じゃあ…はい！行きましょうっ」
「ふふ…ありがとう」
同じ映画を映画館で二度観るなんて、私の人生では経験のない事だった。
映画好きの方からしたらそれはよくある事なんだろうけど…相葉くんってそんなに映画が好きだったのかなぁ。
＊＊＊＊＊
「…始まるよ」
「あ、はい…」
相葉くんの小さな耳打ちに顔を向けると、大好きな瞳と目が合って。
肘置きに置いていた自分の腕と相葉くんの腕が軽く当たってしまった。
「あ、ごっごめんなさい…」
まるで前と同じ展開。だからきっと、このあと相葉くんは私に肘置きを譲ってくれ…
「ううん、いいよ」
「ひゃっ…」
「シー…」
「…」
…どうしよう。
肘置きを譲ってくれるどころか、私は今、相葉くんに手を握られている…。
「ドキドキすると思うけど、我慢してね」
その耳打ちは反則だ…。
これじゃ映画に集中できない…けど。
この映画は私がイマイチ理解できなかったやつ。
もう一度しっかり観て、腑に落ちたいのだ。
＊＊＊＊＊
「あー…映画ってすぐ時間経っちゃうよね」
「はい…」
「もう夕方だもんなぁ」
並木道を歩きながら相葉くんは空を眺めた。
私はというと、映画館からいまだ彼と繋がれているこの右手に意識が集中。
これは一体…どういうつもりなのだろう。
_＿"もしかしたら返事をする側になるかもしれない"
二宮くんの言葉が頭を過る。
もしかして…もしかすると………
「…Aちゃん、俺さ」
「ままま待ってください！」
「…」
その先を予想してしまった私は、咄嗟に相葉くんの手を振り払ってしまった。
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作者名：ミト
| 作成日時：2017年8月10日 18時
