リターン―4― ページ25
私の体調もすっかり今まで通りに戻ったある日、征十郎とデートの約束をした
『どこに行くの？』
赤「着いたらのお楽しみ」
そう言われ焦らされながら待つと、車がとまったのはいつしか私たちが来た水族館だった
赤「Aと来たかったんだ。いいかな？」
『っ！うん、行こう……！』
たしかにあの時の私は桜庭Aではなく、偽りの婚約者のサクラだったな
もう、見栄を張ったり、ごまかしたりしなくていいんだよね……
そう思うと、なんだか自然と顔がほころぶ
『私、ここのイルカショーを見てみたかったの』
赤「うん。一緒に見よう」
『あとね、深海魚も見たいんだ』
征十郎は私がわがままを言っても、楽しそうに一緒に見てくれた
あの頃はずっと何を考えているかわからなかったけど……
『征十郎って、水族館好きなの？』
赤「好きというより、Aと新しい思い出作りをしたいと思って選んだんだ。あの頃とは全く感情が違う……Aが隣にいるだけで、こんなにも景色が変わるんだな」
私にもわかる
あの時と同じ景色のはずなのに、どこもかしこもキラキラして見えるんだ
きっとそれは、隣に愛しい人がいるから
赤「そろそろカフェで休憩しようか」
『そうだね』
それから一緒にカフェでマンボーラテを飲んで、泡がついて笑いあって、イルカショーを見て……
前にできなかったことをたくさん詰め込んだ
時間が経つのはとても早く、気付いたら閉館のアナウンスが流れ始めていた
『もう終わりなんだね。私たちもそろそろ行く？』
赤「いや、もう少し見て行こう」
『？うん、いいけど……』
少し意外な返答に驚いた
他のお客さんはどんどん去って行き、気付いたら辺りはシーンと静まり返っていた
『もうみんないないね』
赤「あぁ。閉館の最後の一時間は僕が貸し切ったからね」
『えぇ！？』
赤「誰の邪魔も入らず、2人で見たかったんだ」
だからって貸し切るなんて……;;
嬉しいけど、すごすぎて驚いたよ;;
それから私たちは誰もいない館内を歩いた
そして最後に一番大きな水槽の前で立ち止まり、一緒に見上げた
静かで、穏やかで、まるで私たちも海の底にいるような感覚に陥るほど幻想的な空間
でも、しっかり繋がれた右手だけは温かい
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みかん(プロフ) - みさきさん» ひゃぁぁぁ完結した後でもコメントいただけて嬉しいです(´；ω；｀)！！私の作品が少しでも楽しんでもらえてよかったです(*´`) (2019年11月17日 17時) (
レス) id: f2ad1a9682 (このIDを非表示/違反報告)
みさき - すっごい面白い！いゃ〜自分名前でやるのはドキドキが、止まらなくなりますね！ (2019年11月17日 16時) (レス) id: 8ee38b95ef (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 紅蓮さん» わぁぁぁありががとうございます（泣）そう言っていただき、作ってよかったなと勇気付けられました( ´:ω:` )他作品や新作でも頑張ります！！最後まで読んでいただき本当にありがとうございました（泣） (2019年9月26日 17時) (レス) id: 7906a9a948 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮(プロフ) - この作品とっても好きです！完結したことが嬉しくもあり、悲しくもあります笑次も頑張ってください！ (2019年9月26日 15時) (レス) id: 167b4beba7 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - ハル子さん» コメントありがとうございます( ´:ω:` )!!他作品も読んでくださったんですね!!その中でもこの小説を気に入っていただき本当に嬉しいです（泣）更新がんばります!! (2019年8月30日 9時) (レス) id: 7906a9a948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかん | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/alice99101/
作成日時：2019年8月29日 14時
