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二人の間に気まずい沈黙が流れる
スネイプは何事も無かったかのように
鍋に向き直った
むくり、と心の奥に何やら黒い感情が溢れ出てきて
それを振り払うように調合に集中するスネイプ
「先生、これ消えないんですか.....」
そのか細い声に
スネイプは顔を上げた
「消えんだろうな。明日の朝までそのままだ。」
尻尾がぴた、と動くのをやめ
下に垂れ下がった
どうやらあの尻尾は主人の
気持ちに合わせて動くらしい
ほう、とスネイプはその漆黒の瞳を輝かせた
これは虐めがいがありそうだと
その血色の悪い薄い唇を歪めながら
「しかし、消す事ができない訳でもない。」
顔を上げた彼女と共に尻尾も
ぴん、と上にあがる
実に面白い
「なんでもいいです、消してください」
「手伝いが終わったら消してやろう。」
「何すればいいですか.......？」
大人しくなった彼女を前に
スネイプはほくそ笑んだ
普段強気な彼女のこういう一面を
見れたことが嬉しかったからだ
いつもの様に反論することも無く
失礼な態度をとることも無く
従順に言うことを聞く
理想的だ、とスネイプは口を開き
彼女に指示を始めた
「先生、私本当に必要ですか？」
薬の調合を初めて暫くたった時
Aは口を開いた
その手に持っているのは脱狼薬に必要な材料
要するに、荷物持ちである
「それを消したいんだろう？」
スネイプの冷ややかな視線に
Aは思わず顔を顰める
そう、実は
この耳と尻尾は嘘が付けないのである
つまり、Aが嘘をついても
耳と尻尾の動きで嘘がバレる
先程から何度誘導尋問に引っかかっただろうかと
Aは溜息をこぼした
何故か大嫌いなこの男と
目が合えば耳が動き尻尾は左右に揺れる
「ミス・A、お前に質問がある」
「なんでしょうか？」
「お前は我輩が怖いか？」
「.......いいえ」
「ほう、怖いんだな。」
スネイプは耳と尻尾の動きを見ていたようで
Aの嘘は直ぐにバレてしまう
なぜ怖がる、とスネイプは
その手を止めてAを見つめた
吸い込まれそうな漆黒の瞳
「それは、だって先生、
私のこといじめるでしょう.......」
聞こえるか聞こえないかくらいの
音量で吐かれたその言葉は
やけに静かな地下室に吸い込まれていった
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しょこら(プロフ) - はじめまして！素敵な作品すぎてコメントさせていただきます！本当にこの作品大好きで何回も読ませてもらってます！ちなみに今から4回目行ってきます！笑どのキャラの心境も繊細に書かれていて見る度惹き込まれます…これからもusagiさんの作品楽しみにしています！ (2022年1月24日 23時) (
レス) id: a91831a4da (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - 拙さん» そう言っていただけて、嬉しいです！これからも御付き合い頂けると嬉しいです:) (2019年12月8日 17時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
拙 - こういうの凄く好きです。色々な人の心情が分かって面白いです。ルーピンもスネイプも大好きなので本当にありがとうございますｍ(｡≧Д≦｡)ｍ (2019年12月8日 15時) (レス) id: c3f8edfab8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usagi | 作成日時：2019年10月26日 14時
