【◇】私と彼の秘密の文通 3

文通136 ページ48

倉持






アイツと関わるようになって思い知ったのは


自分のタイミングの悪さだった。







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「ありがとう、大事にするね」







メガネのちょっと得意げな声なんて聞きたくなかったし

アイツのちょっと恥ずかしいけど嬉しそうな声なんてもっと聞きたくなかった。







「あ、倉持くん」







寒いから入ろうよ、と笑う顔はいつもよりいくらか嬉しそうで赤かった。


そんなコイツに何故か腹が立っている自分が嫌でまともに目を合わせずに話す。




「……中暑くて出てきたから」





不貞腐れてそんな素っ気ない返事しか出来ない自分にも腹が立ってそのまま歩き出した。





……御幸ならプレゼント良かったな、くらい言えたんだろうな




一瞬そんなことを思ったけどすぐにやめた。

そんなこと考えてんなんてキリないし、らしくない。




「よー倉持」




居るのはわかってたから大して驚きもせずなんとなく少し間をあけて同じ方向を向くように座った。




「そういえばお前、渡せたんだってな」

「まあな」




頭をかきながら言ってるあたり結構緊張していたことがわかる。


……義理で渡したんだったらそんな緊張しねーよな。


思わずふっと笑うと怪訝そうな顔をした御幸と目が合う。








「前から思ってたんだけどよ、御幸ってさ」









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堤のこと、どう思ってる？







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