【◇】私と彼の秘密の文通 3

文通115 ページ27

倉持






コイツと出会って

計算出来ない気持ちがあるなんて生まれて初めて知った






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失敗した、と思った時にはもう遅く

気づいたら先に口が動いていた。




しかし、堤はというとドアの取手を掴んでイマイチ俺の言った意味がわかっていないのか首を傾げたまま。




……コイツが鋭い奴じゃなくて良かった。






「……部員贔屓って訴えるぞ」

「あ、そういうことね！

……っていうかそんな納得してる場合じゃないじゃん私！！」





咄嗟に思いついた言い訳に納得してくれて心の中で安心する。





「ったく、ちゃんと他の部員と同様に扱えよ」

「うん…でも私部員の皆のこと平等に大切に思ってるつもりだったんだけどな…」






自分で気づいてねーんだ、堤。

自分の目がどこに行っているかとか自分が誰のことを長く考えているのかとか。




まあ堤は自分で気づくようなタイプじゃねーか。






小さく笑った堤に聞こえないくらい小さい声でつぶやく。









「……御幸への大切は他の奴とは違うんだろ」







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