【◇】私と彼の秘密の文通 3

文通114 ページ26

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「御幸くんの誕生日プレゼントどうしよ…」

「……アイツはスコアがあれば生きてけるからいんじゃねーの？」




「いやそれじゃ誕生日楽しめないじゃん！！」





もう真面目に考えてよ倉持くん！と叫んでいるのはミーティングが終わって部員のすっかりいなくなった食堂。




「だって俺があげるわけでももらえる訳でも無いだろ」

「……そうだけどさ」




友を助けようとか思ってくれないの…？と嘆く。




……もちろん自分で探すことも考えた。

だけど、考えても考えても高校生の男の子が欲しいようなものは思いつかなくて、結局倉持くんに頼ることになったのである。




「ていうかそもそも何でプレゼントなんか渡すんだよ…」

「スコアとかこの前のテスト救ってくれたの御幸くんだから」




ちゃんとお礼したくて。




今までなんか奢るとかなんか欲しいもの言ってと言っても、他の部員の子にはしょっちゅう頼んでいるのにそーゆーの要らないからと何故か拒まれ続けここまでズルズル来てしまった。




だから誕生日くらいちゃんと祝わせて欲しい。



……というのは建前なんだけど。




「……タオルとか良いかも」

「タオル？」

「ほら部活の時とか何枚あっても足りなくてデザインとか最近気にしてないからほとんど無地のヤツだし」




「なるほど！」





ありがとう！と言ってスクバを背負い急いで出口に向かう。




今ならスポーツショップもまだ開いてるはず。






「おい堤！！」





ドアを開けて出ようとした時だった。


私がなんだろうと振り向くと気まずそうに、少し呼び止めたのを後悔しているように、顔をそらして斜め下を向いている倉持くん。





「……あんま御幸のことばっか考えんな」






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