1.先輩に告白 ページ3
「先輩!…っあ!」
私が高尾先輩を呼ぶと隣にいた背の高い先輩も一緒に振り向いた。
そして私は、坂を急いで走ってしまったから足がもつれて地面に倒れそうになっていた。
「…っぶね。大丈夫?」
やばい!倒れる!そう思って受け身の姿勢を取ろうとしたとき先輩は私の方に走ってきてくれて私を支えてくれた。
「あ、あの…えっとすみません!」
顔を上げると、すぐ近くに高尾先輩の顔があって真っ赤になってしまった。
私はすぐに高尾先輩から離れると、制服のスカートを直した。
「…あーえっと、それでさっき呼んだよね?
俺?それとも真ちゃん?」
高尾先輩は息を切らした私を見ながら、自分と隣にいた先輩を交互に指差した。
「あ…高尾先輩です」
「俺か。っし、真ちゃん今日は先帰っといて!」
先輩はそう言うと、「じゃあ、どうする?歩く?」と言って私の方を見た。
「えっと、じゃあ歩きます!」
そう言うと私達は、お互いの自己紹介をしながらふらふらと歩き、公園につくとブランコに座った。
「……あの、先輩。」
私がちらっと横を見て呼ぶと、先輩も私の方を優しい目で見てくれていた。
きっと私が次言うこと、分かってるんだろうな。
年上の余裕ってやつかな。
ゆっくりと深呼吸をして、ぎゅっとブランコを握りしめた。
「私、先輩の事が好きです。…笑っちゃうかもしれないけど、一目惚れしちゃって…。
先輩は、私の事全然知らないと思うし、でも私知ってもらおうと思ったらやっぱり告白しか考えられなくて…それで」
あぁ…てんぱりすぎてもうぐちゃぐちゃだ。
あの長い心の準備が全部無駄だった。
先輩、変な子だと思ってるだろうな…
でもそれでもちゃんと伝えきりたい。
「私、先輩の事が好きです。大好きです!
よかったら、私と付き合ってくれませんか…!?」
先輩と目を合わせてそう言うと、先輩は少し驚いたような顔をして、それからふっと笑った。
ぽかーんとしていると、先輩が私の目の前に立っていた。
「確かに俺は全然蒼木さんの事知らないし、告白が無かったら知らないままだったかもしれない。
でも、付き合ってからお互いを知っていくのも俺は悪くないと思う。
何も確証はねぇけど…俺達なんか上手くやってけそうな気がする!だからさ、付き合おう」
そう言って、二カッと笑った先輩は私に手を差し出す。
「は、はい…!!」
私は強くその手を握った。
今日から私、高尾先輩の彼女、始めます!!
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鏡子(プロフ) - ちょこれーとさん» ありがとうございます。私の推しは火神君です!確かにあの回は感動しましたね。私も好きです。 (2020年5月15日 16時) (レス) id: e35fb2372b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - 私の推しは高尾くんでっす。好きなシーンは、洛山vs秀徳で真ちゃんが『このチームで足手まといなど俺は知らない。』っていうシーンが大好きです。私は秀徳めっちゃ好きなので勝ってほしかったなぁ…。 (2020年2月27日 18時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - 鏡子さんの作品面白いです!ちなみに誰が一番好きですか? (2020年2月27日 18時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鏡子 x他1人 | 作成日時:2019年2月4日 16時