とある探偵社の双子の女医

蝶が１８頭 ページ22

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有｢与謝野Aかァ。やッパり楽しソうだ。
これカらドうしテやろうカ…アは、あっハははハ…｣

貴｢有川？……有川！…有川！目を覚ませ！｣


目の前の"男"は最早人間性をも失っていた。
先刻まで真っ黒だった目は真紅に染まっている。

＿＿＿まるで、何者かに呪われているかのようだった。


有｢２年間、こノ瞬間を楽シミにしテたんダよ。
部下ガ殺さレテ、どのくラい探偵社ヲ憎んダか。どレくライお前ヲ恨んだカ！！｣


…怖い。

こんな感情を持ったのは幾年振りだろう。

お姉ちゃんといれば大丈夫だって。
お姉ちゃんといれば最強だって。
怖いものなんてないんだって。

何時しか、そう思うようになっていた。

そして恐怖そのものも、忘れていた。


貴｢有川！目を覚ませ！
人虎捕まえて、７０億手に入れるンじゃないのかい？！
部下の身内を助けるンじゃないのかい？！｣

有｢さァ？なンノことだダか。
此奴(･･)の考エてるコとなンて僕二は関係ナいネ。｣


此奴…？
目の前の男は、有川では、ない？


貴｢お前は……誰だ｣

有｢僕？ヤだなァ知ラナいの？僕はフェイク。
本体(有川)ノ異能サ｣

貴｢有川の異能…！｣


有川が操る異能物質は詳細が不明だった。
探偵社や異能特務科が身を粉にしてまで調べあげたが、得られた情報は何もなかった。

だが、今、その理由が判った。

有川はこの異能に操られている。否、乗っ取られている、の方が妥当な言葉だ。
それ故に、無意識に異能を発動させているのかもしれない。
そうとなれば、正体不明だった点や有川の変貌にも全て辻褄が合う。


有｢さァて、長イ前置きハ終わりダ。
まーズは、この白イ首カら行こウカな｣


そう言って、有川は手に持った短剣を手前に引いた。

与謝野は次にくるだろう痛みに構え、目を瞑った。

そして首には激痛が走った……








＿＿＿筈だった。





＊＊＊

作者インフルで倒れてました(:3_ヽ)_

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