とある探偵社の双子の女医

蝶が１７頭 ページ21

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貴｢で？70億欲するほど有川組は飢えてるのかい？悲しいねぇ寂しいねぇ虚しいねぇ｣

有｢う、うるせえ！

部下の身内が…その…癌でな。どうしても金が必要なんだ｣

貴｢え、お前良い奴｣


有川組のボス良い奴。有川組やっていけんのかこれ。

ちょっと感心しつつも心配になる与謝野。
でもその後に探偵社を考えてみると、これはまだまともな方だと実感する。

いや、探偵社の方心配。


貴｢まぁ理由がどうであれ、私は人虎が何処にいるかも生きているかもしらない。
残念だけど協力はできない｣

有｢…口ではなんぼでも言える。例え嘘偽りでもな。
本当に知らないとしても、闇組織に囚われて無傷で帰れると思ったら大間違いだぞ｣

貴｢あーあーそれはもう重々承知の上だよ。何回そんな目にあったか｣

有｢…………え、意外とお前チョロいの？何でそんなに囚われてんの？え？探偵社だよな？｣

貴｢……鎌で真ッ二つにされたくなかったらさっさと黙ってくンね｣


有川は本当はいい奴なのかもしれない。
闇組織なんて似合わない。有川は光に生きるべきだ。

与謝野は素直にそう思った。
だが、何故か口には出せなかった。


貴｢そんなに信じられないなら、煮るなり焼くなり焦がすなり割るなり如何でもすればいいンじゃないかい？
私死なないからサンドバッグにならなれそうだねェ｣


囚われの身にもかかわらずあぐら(安坐)をかいて頬杖をつく与謝野。

探偵社に入ると根性も強くなるらしい。


有｢……

お前なんなん｣

貴｢与謝野A｣

有｢ご趣味は｣

貴｢解剖｣

有｢休日の過ごし方｣

貴｢解剖｣

有｢暇があれば｣

貴｢解剖｣

有｢今すぐ俺を｣

貴｢解剖｣

有｢探偵社可哀想｣


その場の雰囲気はもはや漫才ムードになってしまった。

有川浩。クラスに１人は欲しいキャラ。


有｢あー…ともかく！
お巫山戯は此処までだ。先刻も云ったが、無傷では帰せない。｣

貴｢何回云うんだい。さっさとしてくれ｣


有川は若干与謝野を睨みながら奥から拷問道具と思われるモノを持ってきた。

その中から１番に選んだのは先の鋭い短刀。

有川は光を失った目で与謝野の首に短刀を当てた。
＿＿＿え、私１発目で殺 されんの？


有｢アー久しぶりだネぇこノ感覚。囚人は泣イて命乞いヲするンだ。楽しイもんだゼ？
さァて、君はどンな色ヲ見せテくれるノかなァ？｣

貴｢…え、有川？｣


短刀を片手に与謝野を見つめる有川は先程の柔和な雰囲気は一切なかった。

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