とある探偵社の双子の女医

蝶が９頭 ページ11

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助けて。

始まり早々大変申し訳ない。助けて。

一生のお願いの１個目だから。助けて。


太「Aちゃぁあん…ねぇいいでしょー？一緒に黄泉の国デェトしようよ！」

乱「駄目だよ太宰！Aちゃんは今から僕と一緒にポオ君の家に駄菓子を食べにいくんだ！」

与「Aはウチの大事な妹なんだ！男らに渡すわけにはいかないね！」

貴「く、苦しい…」

国「ｚｚＺ」


先刻からこの調子だ。

とうのAは与謝野に後ろから抱きつかれ、右腕を乱歩、左腕を太宰にホールドされており、身動きが取れない状況である。
何時も止めてくれる国木田は爆睡中。

店員さんはニコニコし乍通り過ぎていく。
お願い本当助けて。

はいそこ目逸らさない。


貴「あーもう！いい加減帰るよ！ほら太宰は外套！乱歩さんは上着！お姉ちゃんはバッグ持つ！国木田は起きろ！」

国「だって理想は食べられませんものを…だと…矢張り俺は…」


何かよく判らない寝言を呟いてるばかりで全く起きない。
他もまだAのことを議論している。

もういいや。タクシー呼ぼ。



＿
＿＿＿
＿＿＿＿＿




その後タクシーが来たので無理やり３人を後ろに乗せた。

国木田はあの後起きて自分で静かに帰っていった。物音１つたてずにいなくなったから先刻やっと気づいた。

支払い？勿論私。
あとで太宰に新しい斧買ってもらおう。
そして解体してしまおう。
そうだそうしよう。


タ「どちらまで？」

貴「案内します…」


Aは助手席に乗って云う。
今にもおりそうな瞼を必死にあけて探偵社の社員寮まで案内する。
後ろが騒がしいのは気にしない。


タ「此処に停めますね…」

貴「お騒がせしてしまい本当申し訳ないです…」

タ「あはは、こんなの日常茶飯事ですよ。気にせずに」


それからとりあえず乱歩さんと太宰をそれぞれの社員寮にぶっこんだ。
太宰の腕からゴキッという嫌な音が聞こえたが、気にしない。
決して折ってなんかいないぞ、決して。

お姉ちゃんには自力で立ってもらい、最後に運転手さんの方を振り返った。


貴「あの、料金のほうは…」

タ「あ、料金は貴女様の苦労に免じて必要ありません」

貴「そんな」

タ「この調子じゃ、先刻の支払いもあったでしょう」


如何しよう。この人イケメン。
ウチの男らと全然違う。

私、この人と結婚する。(大嘘)



＊＊＊

なんで運転手をこんなにイケメンにしたんだろう。

作者、わからない(混乱)

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