とある探偵社の双子の女医

蝶が１０頭 ページ12

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貴「本当にありがとうございました」

タ「いえいえ、またのご利用お待ちしておりますね」


愛想のいい笑みを窓から覗かせ乍タクシーはヨコハマの夜の闇に消えていく。

隣ではお姉ちゃんがスマホで音楽を聞いていた。
鼻歌までもが美声かよ…


貴「お姉ちゃん、其れ持つからちゃんと歩いて」

与「嗚呼、悪いねェ」

貴「ほらほら真っ直ぐ歩いて」


ふぁ〜と大きな欠伸をし乍階段を上る。
お姉ちゃんはコクコクとねむかけしている。

嗚呼、此れ直ぐダウンするパターンだ…
お風呂は明日入って貰おう。

…それにしてもこの医療バッグ私のより重たい…


与「眠いねェ…」

貴「うん、疲れた…」


鍵を開け、電気をつける。
反目状態のお姉ちゃんがとてつもなく可愛いのは触れないでおく。


与「A、ご飯はちゃんとあっちで食べたかい？」

貴「うん。大丈夫」

与「嗚呼、この調子じゃ明日は皆二日酔いだね。一応薬を準備しておいてくれ」


はい。お姉様のおかげで皆様五日酔いですね。

でも何故か何時もお姉ちゃんだけは二日酔いしない。
それどころかこの人はぐったりしている人を解剖したがる。

ただの恐怖じゃんか。


与「じゃあ妾は先に寝てるからね。Aも早く寝るんだよ」

貴「はーい」


お姉ちゃんは手際よく敷布団を２つ敷き、自分の布団に入った。
数分後には規則正しい寝息が聞こえてきた。

早いな。流石。


貴「二日酔いの薬…３つかな？」


乱歩さん、国木田、太宰…お姉ちゃんは大丈夫か。

一応カロナール持ってこう。私のために。
(カロナール＝痛み止め。Aは頭痛として愛用)


貴「眠い…」


気がつけば１時半。

お風呂、明日ゆっくり入ろうかな。
あ、お姉ちゃんとナオミも誘って温泉でもいいね。

二日酔いの薬とカロナールを医療バッグに入れ、白衣を綺麗に畳んで布団に入る。

今日は何時にも増して疲れた。
隣のお姉ちゃんは寝顔も綺麗で羨ましい。

あ、そういえば敦は大丈夫かなァ。ご飯、一応作り置きしてあげようか。


とりあえず今日は眠い。寝よう。お休み。

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