【御幸一也】リベンジ ページ15
今日は毎年恒例のこの地域の夏祭がある。
去年もAと行ったっけなーなんて思いつつも、今年もまた一緒に行けることを楽しみにしてたんだけど
「A達おっせーな！！」
「誘っといて待たせるだなんていい度胸だね」
「ヒャハハ、まだ待ち合わせから２分しか経ってないっすよ、純さん、亮さん！」
なぜか今年は先輩達や同級生の倉持なんかも一緒だ。
確かに二人でとは今年は言ってなかったけど。
正直言うと少し……いや、かなり残念だ。
「ごめんごめーん、遅くなっちゃった」
「おっせーぞA……ってお前その格好！！」
待ち人の声と驚いた様子の純さんの方へと振り向くと浴衣姿の彼女とマネージャーズが立っていた。
「へへーん！ふっこのお母さんに着せて貰ったんだーいいでしょー♡」
「なかなかいいんじゃない。」
「わーい、亮介に褒められたー！！」
「調子に乗らない。ほら行くよ」
色とりどりの浴衣姿に身を包んだ彼女達はAだけに限らずいつもより輝いて見える。
それを察してか亮さんなんかもいつもより優しいような……。
「かーずやっ」
そんなことを考えているとAが俺に耳打ちをしてくる。
「どう？去年は着れなかったからリベンジしてみたんだけど」
「……すげぇ良い。可愛い」
普段とは違って髪も綺麗に纏められていて、見えるうなじが更に色っぽさを増している。
「あはは、喜んで貰えて良かった！
どうしてもみんなとも行きたくて一也に黙って誘っちゃったからさ…もしかして怒ってるんじゃないかと心配だったんだよね」
こういうところは鋭いな、と思う。俺がいつもと違う様子だとすぐに気付いて気を利かせてくれるのだ。
「……ま、ちょっと怒ってたっつーか二人じゃねぇのは残念だったけど。
Aの浴衣姿見たらどうでも良くなった。
それに……」
「それに？」
「祭はみんなと一緒でも、あとでたんまり堪能させてもらうからさ♡」
「なっ…それってどうゆう…」
「おーい、御幸ー！Aさーん！置いていきますよー」
「ほら、倉持が呼んでる。行こーぜ。
お楽しみは祭の後で……な？」
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作者名：げび | 作成日時：2016年7月15日 22時
