17話 ページ19
凭れていた壁から離れ彼奴の方に脚を進めた。
「俺だ」
『嗚呼…なんだ。中也さんだったのか』
「俺で悪かったな!」
中也さんは拳を ワナワナ と震わせ怒りを表した。
『ま、途中から知っていたけど……で?…噺聞いてたんでしょ?』
「噺ぃ…?嗚呼…異能で作り出した狼との噺か…?」
『異能…?ま、良いや。聞いたこと…森さんには内緒でね…』
「何故だ?」
『そんなの…
.
____利用されたくないからだよ』
「……!!」
自分の発した言葉に回りの温度が下がった感じがした…が
気にせず倉庫の出口に脚を進める。
『ほらほら、森さんが待ってるぞ』
「お、おう。そうだな」
そして倉庫から外に出て紅い満月を見上げる。
『嗚呼…厄介事にならなきゃ良いんだけど……(ボソッ』
「……?なんか言ったか?」
『ん?いや、何でもない』
────ポフン!
ホワイトハスキーになり中也さんの隣を歩いていた。
『ふわぁ……。明日はどこ行こっかな…?』
「お前は俺と明日も仕事だ」
『そんなぁー!聞いてないよ!』
「まず今日の事を報告だ」
『あ、そう言えば……』
「……?」
───ポフン!
僕はその場に立ち止まり人間に戻ってポケットに手を入れ小さく四回くらいに折られた紙を出して中也さんに見せた。
パサッ───
『此れ、奥の部屋から見つけたんですけど…この書類…?
資料…?はマフィアに関係あるものですか?』
俺は中也さんに手渡しすると眼を開き驚いた。
……そんなに大事な物だったのか?
…はっ!もしかして森さんはロリコンだとかそういうことが書かれているとか!?
「……っおい。其れ…マフィアの異能力者リストじゃねぇか…!」
『大事なものだったんだ…』
「大事だ!此処にはそいつ個人の異能の詳細が詳しく書いてあるからな!」
『ふーん…』
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作者名:黒猫 | 作成日時:2018年7月29日 16時