だれか、私を殺してください【呪術廻戦】

唯一の願望 ページ21

バン！！

慌ててドアを開けたことにより、ドアが外れた音がしたがそんな事をしにしている場合じゃなかった


ドアを開けた先には、叩きつけられ砕かれた椅子の足を自らの首に突きつけるAの姿だった


その先端は杭のようになっていて、刺さればまず助からない


五条が『赫』で一気にAとの距離を詰め、杭を取り上げる


悟「危ないことしちゃダメでしょ」


Aが自害しないよう、壊された椅子も含め片付けようとすると、ズボンの裾がグイと引っ張られる感覚がして立ち止まる


五条のズボンに皺が残るほど強く握りしめ、言葉を紡ぐ


『私が・・・悪いんです』


悟「何のこと?」


『私が全部悪いんです


私がいなければ、死なない人が居ました


私がいなければ、お父さんとお母さんも生きていました』


初めは蚊の鳴くような小さな声だったが、言葉を紡ぐごとにどんどん強く早口になる


悟「君のせいじゃない」


『憂太くんが死刑を告げられたのも、私のせいです


あの日、私が里香ちゃんに触れなければきっとロッカーに人を詰めることもなかった！


私が居ることで周りが不幸になる、みんな幸せになれないの！！』


苦しそうにそう叫び、頭を抱えて蹲る


ガンガンと頭を打ち付けるAを五条が肩を掴み辞めさせる


隈が深く、打ちつけた頭と罪悪感に苛まれ掻きむしった傷がある痛ましい深い青の目と五条の目が合う


『お願いだから・・・・・


だれか、私を殺してください』



何度頼んでも、誰一人自分に手を下してくれない


これがAが自害を始めるきっかけだった

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