王様と下僕。【影山飛雄】

09 やっぱり王様健在ですよね知ってた ページ10

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ふう、っと国見の吐息で私の前髪がふわり浮いて。

なんだなんだと思わず目をつむる────と、



────ぶちっ。




｢いいいいいいいいっっっっってええええええええええええええ！！！！！！！！！！！！！は！？何！？はぁ！！！？？｣

｢地味にまつ毛長いのムカついた｣

｢ざけんなよ！！！！！！！｣

｢抜いた｣

｢死ね！！！！！！！！！！！！！！｣



信じらんない信じらんないなにこいつ。

殺意を込めて国見の脛を蹴ろうと足を振りかぶる。が、国見は飄々とした表情でそれをよけた。クソが！！



｢じゃあ影山によろしく言っといて｣

｢何でだよこのあと試合で会うだろ自分で言えよクソくたばれ。私の数少ないまつ毛返せ｣

｢またね｣

｢お前及川さんの殺人サーブ顔面に当たればいいのに｣



そう言うと、｢俺Aみたいにダサくないから｣なんてさりげなくディスられたからあいつ本当に滅べ。

国見が歩いていく方向に向かって中指を立てたあと、私もこのなかなかの量のボトルを運ぶために体育館へ歩き始めた。

くそ、まぶたかゆい。マジ国見くたばれ。ついでに影山もくたばれ。金田一に会いたい。癒されたい。らっきょう食いたい。

たらたらとそんなことを考える。と、



｢・・・おい｣

｢ぐぉえっ！！！？｣



ぐい！と一切手加減無しの力で私の首を背後から締めあげた腕と、不機嫌丸出しの声に思わずカゴを落とす。ガラガラと派手な音を立ててそれらが床に散らばった。

えっえっ何えっ。ていうか無理首絞まってる死ぬ・・・！

私は渾身の力で背後にいるそいつの腹に肘をめり込ませた。



｢・・・っ、ッ！！！！！ってぇ！｣

｢何しやがるばかげやま！！ボケ！！離せ！！｣

｢・・・ってめ、｣

｢ぎゃああああああああああああああああああおい誰か澤村さん呼べえええええええええああああああああああああああああ澤村さああああああああああああああああん菅原さああああああああああああああああん｣

｢うるせぇ騒ぐんじゃねぇ！！！｣

｢だったらてめぇも私のケツ触ってる手退けろよおおおおおおおおおおおおお！！！！！！｣




ちゃっかりがっつり私のケツあたりにある影山の手にそう叫ぶと、｢あれこれ腰じゃねぇのか｣なんて。おいお前私の腰どんだけデブだと思ってんだよ。





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