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本を戻して緋色のノートを手にするのを視界に入れつつ、私はふと思ったことを彼に質問した。
「そういえば、閣下はどうして私の小論文なんかを読んでいらっしゃったんでしょうか……
エーミールさんは何かご存知ですか？」
「ああ、その件ですか。
――ええ、知っていますよ。聞きたいですか？」
彼があまりにも軽い調子でそう言うものだから私もつい「聞きたいです」と何も考えずに声を発してしまった。
しかしその後からまた疑念が生じてきて、今度は「えっ、あ、いいんですか？」と言葉が口から出た。
「グルッペンさんからは『隠すことでもないし聞かれたら言ってくれ』と言われてますからその辺のことは心配ありません。」
「そ、そうなんですか……じゃあ、教えてください。」
「わかりました。
そうですね……このまま教えるのも少し味気ないので条件でも付けましょうか。」
彼は手にしていた緋色のノートを鞄に戻しチャックを閉めた。
「条件、ですか……？」
「ええ。まぁそんな大したことは要求しませんから。
ただあることを約束して頂ければいいんです。」
「約束……？」
「はい、約束です。要求は2つですかね。
1つは『無理はせず、辛くなったら必ず誰かに言う』ということ。
もう1つは……わ、私のこと、エーミールじゃなくて……エミさんって呼んでもらえたりできますか？」
「――……え？」
予想外の二言目に私は思わず声を零した。
1つ目を言われるのはまだ理解できる。
が……エミさんって呼んでって、そんなことでいいのだろうか。
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狛々(プロフ) - 美しい文章を見ることができてとても満たされました…！貴方様の細かな場面表現がとても好きです。どうかご無理なさらず、更新を心待ちにしております。 (2023年2月22日 15時) (
レス) @page25 id: 0c572bf162 (このIDを非表示/違反報告)
黒井 屑(プロフ) - 夢主ちゃんがドタイプなんです……！15歳？気にしない。(ロリコン) 貴方の作品がめちゃくちゃ好きです。応援してます。 (2020年2月14日 20時) (レス) id: 3248997e70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁の園 | 作成日時：2019年11月2日 9時
