1話 バスケ部に入るので ページ1
待ちに待った、入学式。
憧れの先輩を追って、今日から海常高校の1年生となりました。
入学式を楽しみにはしていたけれど、大本命はその翌日。
何よりも楽しみにしていた部活動に今日から行けるのです。
やっと、会えるんだ。
しかし現実はそう簡単ではありませんでした。
この海常高校は部活動がとても盛んであり、先輩方は新入生獲得のためにとても熱の入った部活勧誘をするのです。
そして私は今、その熱の入った部活勧誘の人混みの中にいる。
人が多すぎて中々前に進めない...本当に進めません…
『ひ、人多すぎないかな...?』
そんなことを言っていると、偶然にも人があまり集中していないスペースを発見することが出来た。
まだ前には進めそうにはないけれど、とりあえずそのスペースで様子見をしてみようかと思います。
『ちょっとだけここにいようかな』
そこでボーッと立っていると、誰かとぶつかってしまった。
ぶつかってしまった人に謝ろうと思い、慌ててパッとそちらの方に振り返ると、とても身長の高いやけに顔の整った人がいた。
「あ、すんませんっス!俺急いでるから、じゃあ!」
『あ、こちらこそごめんなさい...って、もう行っちゃった』
私とぶつかった金髪のイケメンさんは、謝るなり走ってどこかへ行ってしまった。
『なんかあの人、とてもキラキラしてたな…モデルとか似合いそう』
なんて事を一人で言っていると、後ろから声をかけられる。
なんか、嫌な予感しかしない...
「ねえ君!サッカーとか興味ない?マネージャ募集してるし、よかったら入らない?」
「ラグビー部どう!?筋肉フェチにはたまんないよ!」
「ソフトボールに興味とかないかな?今日体験入部とか来てみない!」
「ダジャレ同好会はどうかい!」
ああ、やっぱり…
あと最後の方!ダジャレ同好会ならもっといいダジャレ考えませんか!?
というか、ダジャレなのか…?
『もう部活決まってますので...アハハ』
適当に愛想笑いをして流そうと思いましたが、部活勧誘の嵐が終わることは無かった。
そのあとも30分ほど、巻き込まれてしまいました。
主にダジャレ同好会の先輩に…!
『って、こんなことしてる場合じゃない!?急いで行かないと!』
私は母が使っていた腕時計を見るなり走り出す。
「あ、君!走るフォームが綺麗だね!陸上部なんてどう!」
『すみません!私バスケ部に入るので!』
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笠松もみじ(プロフ) - ハチ公のままさん» 面白いと言っていただきありがとうございます!そしてわざわざ間違っている所を教えてくださってありがとうございました!射手座と勘違いをしておりました...すぐに訂正させていただきます! (2017年12月30日 11時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公のまま(プロフ) - 話がとても面白いです!しかし、11月は山羊座ではないです… (2017年12月30日 10時) (レス) id: 76036e92ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年9月30日 23時