29話 期待してます ページ30
練習試合当日、私はユニフォームや、ドリンクにタオルなどを準備していた。
「キミ達を...【キセキの世代】を倒すと」
仕事をしている最中、私の頭の中は黒子くんの言葉がリピートされていた。
『キセキの世代...か...』
もちろん、キセキの世代というものが、どれほど凄いのかは、涼太を見ればわかる。
だけど、誠凛さんが今日戦うのはキセキの世代の黄瀬涼太じゃなくて、海常だということを意識されていない感じがして、ほんの少しだけ憤りを感じた。
まあ、こっちも誠凛さんをレギュラーの調整として試合をするらしいからあまり言えないけど...
「A、顔ひでえぞ。すげえ眉間にシワよってる」
『いつも眉間にシワよせてる笠松先輩に言われたくないです!』
「うるせえ!」
幸ちゃんは、私がベンチに綺麗に並べておいた、ユニフォームの1枚を取る。
やっぱり幸ちゃんは、4番がとても似合うな〜!正直今すぐにでも一眼レフを持ってきて、激写したい。
着替えるために、幸ちゃんはTシャツを脱ぐ。
あ、もちろん私はガン見してるよ!!!
「おい変態。ガン見するんじゃねえ」
『チラ見ならいいんですか?』
「ンなわけねえだろ!さっさと仕事に戻りやがれ!」
ちぇーと思いながら、私はその場を離れる。
片面では練習をしているので、そっちの方のドリンクも補充しなくちゃいけない。
でも今日は、私がスコアを書いたりしなくちゃいけないので、他の1年が手伝ってくれている。
「って、え?片面...でやるの?」
ふと女性の声が聞こえたので、ドアの方を見る。
誠凛さんが来たみたいだ。
『監督、誠凛来ました』
「ああ、来たか。今日はこっちだけでやってもらえるかな。レギュラーの調整をするから、他の部員には練習をしてもらっている。トリプルスコアなどにならないように頼むよ」
『...』
涼太も今日は出さないと言われていた。
誠凛さんの怒りがなんだか、感じる。
ごめんなさい、でも監督は悪い人ではないんです!!!
「オレを引きずり出すこともできないようじゃ...キセキの世代倒すとか言う資格もないしね」
また余計なことを...
「白川、誠凛のみなさんを更衣室へ案内してやれ」
『はい。みなさんこちらです』
「出番待つとかないんで...」
「調整とかそーゆーのはちょっとムリかと...」
「「そんなヨユーはすぐなくなると思いますよ」」
『期待してます...』
私はボソリと呟いた。
85人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
笠松もみじ(プロフ) - ハチ公のままさん» 面白いと言っていただきありがとうございます!そしてわざわざ間違っている所を教えてくださってありがとうございました!射手座と勘違いをしておりました...すぐに訂正させていただきます! (2017年12月30日 11時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公のまま(プロフ) - 話がとても面白いです!しかし、11月は山羊座ではないです… (2017年12月30日 10時) (レス) id: 76036e92ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年9月30日 23時