検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:11,927 hit

5、行先 ページ6

少年は、少し考えるようなそぶりを見せると、

「ねぇ君、もしかして記憶喪失なんじゃない?」

ひとさし指をたててそう言った。

「記憶…喪失?ああ、確かにそうかもしれないな!」

白い女の子も納得したようだ。

「その通りだ。だから、君たちがなにか知らないかと思って、声をかけたんだ。」

面倒事を避けたくて、記憶喪失であることは話したくなかったが、仕方ない。

「ごめん、俺も璃月のことはよく知らなくて…パイモンなら、何か分かるかも!」

「おっ、オイラ!?えーと、えーと……あっ、そうだ!お前がオイラ達に付いてくるってのはどうだ?」

白い子は名案!というように瞳を大きく開き、手をたたく。

「オイラ達は世界をまわる旅をしてるんだ!こいつの妹を探す旅。で、おいらはそのガイドってわけ!」

白いこの言葉に、金髪の少年もうなずく。

「パイモンはいい非常食「おい!」じゃなくて、いい仲間だよ。君がいいなら、一緒に来ない?」

いま非常食って言ったのは聞かなかったことにしておこう。なんだか怖い。

…なんだか思いのほかとんとん拍子に事がすすむ。

確かに、共に行動できる仲間がいるのはとても心強いし…

「ああ!一緒に行かせてもらおう!」

ぼくは目覚めてから初めての笑顔で、そう答えた。



「そういえば、自己紹介がまだだった。俺は空で、こっちは…」

「パイモンだ!」

金髪の少年…もとい空に続いて、白い妖精のようなパイモンが続く。

「空、パイモン。よろしく頼む。ぼくは…えっと…名前…」

そういえば、自分の名前も思い出せない。記憶喪失だから当然ではあるが。

「名前は、思い出せない。」

空は少し驚いた顔をし、そっか、とぶやいた。

僕と空、パイモンの間に妙に嫌な空気が流れ出す。

その空気をかえたくて、僕は大げさに明るい声を出した。


「君たちは、どこをめざしてるの?僕は、あの向こうの港に行きたいんだが、いいだろうか?」

港はここらで一番栄えていて人も多そうだし、行けば何か思い出せる可能性があると考えた。

「うん、俺たちもそこを目指してるんだ。」

空が明るい表情で望んでいた返事をしてくれて、少しほっとする。

これで行くべきと事は決まった。

「あそこは璃月港っていうんだぞ!」

「りいゆえこう?うん…」

「そうだ!」

さっきここは璃月だと聞いた。璃月の港だから、璃月港?

あまりよく分からない。

赤子がものを覚える時も、このような感じなのか?

6、道中→←4、初め



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
148人がお気に入り
設定タグ:原神 , 鍾離 , 記憶喪失
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あねも2世(プロフ) - 月城兎焰樹さん» 確認しました (6月13日 13時) (レス) id: 4f3cc5c552 (このIDを非表示/違反報告)
月城兎焰樹(プロフ) - 申請させていただきました。 (6月11日 0時) (レス) id: da00eb3903 (このIDを非表示/違反報告)
あねも2世(プロフ) - 他にフレンドなりたい方いれば下のコメントのIDみてくださいね!申請は一言言って下さると助かります、。 (6月7日 16時) (レス) id: 4f3cc5c552 (このIDを非表示/違反報告)
あねも2世(プロフ) - 月城兎焰樹さん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません!IDは863621180です。よろしくお願いしますー! (6月7日 15時) (レス) id: 4f3cc5c552 (このIDを非表示/違反報告)
月城兎焰樹(プロフ) - 雑魚ですがフレンドなって欲しいです (6月3日 1時) (レス) id: da00eb3903 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あねも2世 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年12月28日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。