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少年は、少し考えるようなそぶりを見せると、
「ねぇ君、もしかして記憶喪失なんじゃない?」
ひとさし指をたててそう言った。
「記憶…喪失?ああ、確かにそうかもしれないな!」
白い女の子も納得したようだ。
「その通りだ。だから、君たちがなにか知らないかと思って、声をかけたんだ。」
面倒事を避けたくて、記憶喪失であることは話したくなかったが、仕方ない。
「ごめん、俺も璃月のことはよく知らなくて…パイモンなら、何か分かるかも!」
「おっ、オイラ!?えーと、えーと……あっ、そうだ!お前がオイラ達に付いてくるってのはどうだ?」
白い子は名案!というように瞳を大きく開き、手をたたく。
「オイラ達は世界をまわる旅をしてるんだ!こいつの妹を探す旅。で、おいらはそのガイドってわけ!」
白いこの言葉に、金髪の少年もうなずく。
「パイモンはいい非常食「おい!」じゃなくて、いい仲間だよ。君がいいなら、一緒に来ない?」
いま非常食って言ったのは聞かなかったことにしておこう。なんだか怖い。
…なんだか思いのほかとんとん拍子に事がすすむ。
確かに、共に行動できる仲間がいるのはとても心強いし…
「ああ!一緒に行かせてもらおう!」
ぼくは目覚めてから初めての笑顔で、そう答えた。
ー
「そういえば、自己紹介がまだだった。俺は空で、こっちは…」
「パイモンだ!」
金髪の少年…もとい空に続いて、白い妖精のようなパイモンが続く。
「空、パイモン。よろしく頼む。ぼくは…えっと…名前…」
そういえば、自分の名前も思い出せない。記憶喪失だから当然ではあるが。
「名前は、思い出せない。」
空は少し驚いた顔をし、そっか、とぶやいた。
僕と空、パイモンの間に妙に嫌な空気が流れ出す。
その空気をかえたくて、僕は大げさに明るい声を出した。
「君たちは、どこをめざしてるの?僕は、あの向こうの港に行きたいんだが、いいだろうか?」
港はここらで一番栄えていて人も多そうだし、行けば何か思い出せる可能性があると考えた。
「うん、俺たちもそこを目指してるんだ。」
空が明るい表情で望んでいた返事をしてくれて、少しほっとする。
これで行くべきと事は決まった。
「あそこは璃月港っていうんだぞ!」
「りいゆえこう?うん…」
「そうだ!」
さっきここは璃月だと聞いた。璃月の港だから、璃月港?
あまりよく分からない。
赤子がものを覚える時も、このような感じなのか?
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あねも2世(プロフ) - 月城兎焰樹さん» 確認しました (6月13日 13時) (レス) id: 4f3cc5c552 (このIDを非表示/違反報告)
月城兎焰樹(プロフ) - 申請させていただきました。 (6月11日 0時) (レス) id: da00eb3903 (このIDを非表示/違反報告)
あねも2世(プロフ) - 他にフレンドなりたい方いれば下のコメントのIDみてくださいね!申請は一言言って下さると助かります、。 (6月7日 16時) (レス) id: 4f3cc5c552 (このIDを非表示/違反報告)
あねも2世(プロフ) - 月城兎焰樹さん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません!IDは863621180です。よろしくお願いしますー! (6月7日 15時) (レス) id: 4f3cc5c552 (このIDを非表示/違反報告)
月城兎焰樹(プロフ) - 雑魚ですがフレンドなって欲しいです (6月3日 1時) (レス) id: da00eb3903 (このIDを非表示/違反報告)
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