4、初め ページ5
目の前に広がる景色を、しばらくただぼうっと眺めていた。
強い風が吹き、ぼくははっとする。
これからどうするべきか。ひとまず右手に見える都市を目指してみればいいのだろうか。あそこなら人がいるだろうし、何かわかることがあるかもしれない。
自分の行動を、誰かが決めるのではない。いまの僕の主導権は、すべて僕がにぎってる。契約や支配に縛られることはない。
要するに、今の僕はどこまでも自由だ。
あれ、今ぼくどうしてそんなこと考えて…
そんなことを思っていたら、人けのなかった道から、誰かが歩いてくるのが見えた。
ちょうどいい、ぼくが知らないこの世界の事を聞いてみよう。
ぼくはその人にかけよっていった。
ー
「こっ、こんにちは」
目覚めてから人に会うのは初めてなので、変に緊張する。
‘人”というものは知っているのに、見るのも話すのも初めてだ。
その少年はあたりをじっくり見回しながらあるいていて、ぼくの声が耳に入ると、ふっと顔をあげた。
「どうしたんだ?お前、璃月の人か?」
僕の声には、その少年の隣にいる…なんだこれは。
どう表現していいか分からないが、ふわふわと浮いた小さな妖精のような丸い女の子が答えた。
その子は、白い髪に黒のひし形のような髪飾りをつけ、白い服に身をつつんでいる。
その子が動いた軌道にはきらきらと星座を紡いだ線のようなものが残っては消えている。
「りー…ゆえ…ここは璃月というのか?」
「そうだけど…お前自分の国の名前も知らないのか?」
その白く小さな女の子は、疑問と疑いのまじった顔をする。
「すまない、ぼくはよくこの世界のことを知らないんだ。」
そういうと、ぼくが声をかけた少年がはっとした表情になり、ようやく口を開く。
「もしかして、君もこの世界の人間じゃないのか?」
少年は綺麗な長い金髪を後ろに三つ編みで結っていて、引き締まった腹を大胆に出した服を着ていた。
「いいや、分からない。」
この世界の人間じゃないとは、どういうことだろう。
聞いてみたかったが、この少年にも事情があるだろうと思い、やめておく。
「そうか。なら、璃月のことを知らないんだったら、君は、どこから来たんだ?」
「すまないが、それも分からない。」
「どういうことだよ?それ。世界のことを知らなくて、自分ことも知らないって…おい、空、こいつちょっとおかしくないか?」
白い子は金髪の子に耳打ちをする。すごいぼくにもきこえてるけど。
文字数…
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あねも2世(プロフ) - 月城兎焰樹さん» 確認しました (6月13日 13時) (レス) id: 4f3cc5c552 (このIDを非表示/違反報告)
月城兎焰樹(プロフ) - 申請させていただきました。 (6月11日 0時) (レス) id: da00eb3903 (このIDを非表示/違反報告)
あねも2世(プロフ) - 他にフレンドなりたい方いれば下のコメントのIDみてくださいね!申請は一言言って下さると助かります、。 (6月7日 16時) (レス) id: 4f3cc5c552 (このIDを非表示/違反報告)
あねも2世(プロフ) - 月城兎焰樹さん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません!IDは863621180です。よろしくお願いしますー! (6月7日 15時) (レス) id: 4f3cc5c552 (このIDを非表示/違反報告)
月城兎焰樹(プロフ) - 雑魚ですがフレンドなって欲しいです (6月3日 1時) (レス) id: da00eb3903 (このIDを非表示/違反報告)
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