第2話 ページ2
犬VS赤司、これはAが中学から続いている。
最初に赤司が家に来た時からそうだった。
なぜかハピーは赤司になつかない。
人懐っこいはずのハピーは、赤司にだけはなつかない。
他の人間にはもれなくなついている、かわいいAの犬、なのに…赤司とハピーはずっと対立したまま。
赤司は苛々した気持ちを少しでもおさめようと、Aの手を引いた。
そして、膝の上に乗せる。
すると、犬はさらにやかましく吠えてくる。
もうAから離れろと、吠えながらも伝わってくる。
「…この犬、どうしてやろうか…」
赤司が不気味な事を言い始めた…いや、毎回言うのだが。
「僕とAの大事な時間を、この犬に邪魔されたくないな…A、寝室に行こうか」
そう言った途端、さらに吠えてくる。
人間の言葉を理解しているのか?
Aがしょうがないと、ハピーを抱き上げて腕の中でよしよしと頭を撫でる。
途端に吠えるのを止めて尻尾をふりふり、気持ちよさそうにしている。
…なんてずる賢い犬だ。
Aが愛している…さらにAを愛する自分を敵だと認識して吠え、Aの前では大人しくかわいい犬を演じている。
賢いではなく、ずる賢い。
赤司が少しでも触ろうとすれば唸るものだから、赤司はもうこの犬との和解をとっくの昔に諦めて敵視している。
命令を聞かない所ではない、完全なる敵だ。
命令という言葉でさえ無視される。
これからもずっと、赤司の嫌いな物の項目には「言う事を聞かない犬」と書かれるだろう。
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イナズアレオリ - 犬にヤキモチ…赤司君可愛すぎる続編があったら読みたいです! (2020年6月20日 14時) (レス) id: 2e62a84241 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー - 赤司vs犬…面白いですね★更新待ってます(^O^) (2018年3月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろろん | 作成日時:2018年1月7日 0時