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#299.感情 ページ1
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「僕は、辞退します」
その言葉に、姫宮くんは目を見開く。
「そ、そんな！会長、どうして……!?」
「ごめんね、桃李。もう、立っているのも辛いんだ」
天祥院先輩は、細かく震えていた。
本当に、立っているのも辛いようだ。
「できることなら、『Trickstar』に勝ちたかった。……でも」
「延長戦は、棄権します」
これは、敗北を宣言する言葉である。
それが嬉しくて、でも、本当かどうかわからなくて。
舞台だと言うのに、私はスバルに思い切り抱き付く。
「わっとと!?」
スバルは驚きながらも、私を抱き締め返した。
「そ、それって、つまり……？」
☆
「勝ったんだ！私達が!!」
【S1】の時、あんずに言ったように。
私はもう1度、その言葉を言った。
「夢が叶った、学院を変えられた……！」
スバルに抱き付くだけじゃこの喜びを抑え切れなくて、北斗に、真に、真緒に。
『Trickstar』全員に抱き付く。
「A」
「ん？」
北斗に名前を呼ばれ、後ろを振り向くと。
ムニーッ
「
「Aの頬が柔らかい……。これは本当か？」
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作者名：和花 | 作成日時：2018年9月23日 19時
