再確認 ページ23
あれから松野先輩はシュレッダーまで手伝ってくれて、いつの間にか私がやるべき業務は全部終わっていた。
「本当にありがとうございました、松野先輩もお忙しいのに…」
「いえいえ。そんなことより、次からは一人で運ばないようにするんだぞ」
何かあってからじゃ遅いからな、と真剣な顔で釘を刺される。
…本気で心配してくれてるんだろう先輩には申し訳ないけど、私のことを心配してくれるのが嬉しくて、つい頬が緩みそうになる。
「もうそろそろ帰るので大丈夫ですよ、ご心配おかけしてすみません」
「ならいいんだが…もう季節も秋だからな、girlがあまり遅くまで残らない方がいい」
先輩の言葉に窓の外を見ると、そこには真っ暗な空が広がっていた。
…そろそろ帰らないと心配されるよね。
「ではお言葉に甘えて…お先に失礼します」
…きっとこの後も学校に残るだろう先輩の時間を出来るだけ割きたくなくて、素早く立ち去ろうとした、その時。
「________綾瀬!」
松野先輩のよく通る声が、私を呼び止める。
「は、はい!」
なんで呼び止められたのかわからずうろたえる私に、
松野先輩は"あの時"のはにかんだ笑顔で
「明日の見回り、一緒に頑張ろうな!」
なんて言うもんだから。
_____ああ、やっぱり、好きだなぁ。
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作者名:いろは | 作成日時:2018年3月13日 14時