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私を忘れないで ページ4

雨は好きだ。
好きだけれど、嫌いだ。
雨音は貴方の声を攫っていくから。
僕の大好きな悪戯な声を消してしまうから。
なのに、雨は僕から貴方の声を奪うのでは満足しないらしい。
僕は雨が憎たらしい。

ドン、と鈍い音がした。
きっと、コレが見ず知らずの人であれば僕の心は何を感じるでもなく唯、「可哀想に」と他人事だけを漏らすのであろう。
そう、コレが他人なら。
人は脆い。
僕が愛した「人間」はたった1度の事故で離れてしまった。
目の前の石が愛した人だと言うならば皮肉も過ぎる。
雨が降っていた。
ポツポツと僕を濡らしていった。
僕は人間じゃないから、愛した人が今どんなに苦しいか分からない。
けれど、ポッカリ空いた穴がその内面を焦がす様な感覚は痛みで顔を歪めそうだった。
分からないけれど、もう、誰かを愛するのはやめにしよう。
何故だかそう思った。
きっとそれは自分を安全地に置いて、傷つかない様にする為の救済だったのだろう。
それなのに、また僕は凝り性も無く愛してしまった。
彼に会ったのも雨の日だった。

二人、愛を隠した言葉を紡ぎあって、それでも直接言葉を掛けない彼は人ではなかった。
然し、僕と同じという者でもなかった。
彼は僕を愛してくれた。
けれども、何時かは彼も僕を離れなければならない。
若し、それが今日であったのなら僕はどんなに後悔しても間に合わない。
そんな、起きるかもわからない別れを思ってはそっと、雨粒に身を任せた。




あの日と同じように。
頬を流れる少し暖かい雨粒はあの日と同じように静かに流れていった。
抱いた勿忘草の花束に一粒だけ雨粒が落ちた。

別れようドッキリってホントに質悪い→←嘘だと言って



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愛猫家(プロフ) - 晴ちゃんぐうかわぁ…かわぁ…(萌死) (2018年8月12日 21時) (レス) id: 9ee9456139 (このIDを非表示/違反報告)
愛猫家(プロフ) - littleさん» 頑張れぇw (2018年8月10日 23時) (レス) id: 9ee9456139 (このIDを非表示/違反報告)
little(プロフ) - 愛猫家さん» おけー、部上書き終わったら入れるわ笑 (2018年8月10日 16時) (レス) id: f8e3273049 (このIDを非表示/違反報告)
愛猫家(プロフ) - littleさん» wwwあっ、神神もみたいn(屑)頑張ってね…() (2018年8月9日 20時) (レス) id: 9ee9456139 (このIDを非表示/違反報告)
little(プロフ) - 愛猫家さん» おん…暇があればな笑笑(記憶喪失書く、明日世界が滅ぶは…うん、頑張ってみる笑 (2018年8月9日 8時) (レス) id: f8e3273049 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ajgmdjtp x他1人 | 作成日時:2017年11月13日 22時

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