検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,154 hit

嘘だと言って ページ3

今日も彼は私を置いて一人、夜の街に繰り出していく。
酷い人。
私がどんなに愛を認めても貴方はそれを外面だけで返す。
それでも私は貴方を愛した。

「ねぇ、神父様。貴方は酷い人ですね。嘘つきです。でもね、私は貴方を裏切らない。だから…どうか、もう1度………………」


一人のベッドはこんなにも寒かったか。
横にある筈の温もりは何処かへ去って、残るのは昨晩の名残惜しさだけだった。
私の愛した人は浮気症だった。
それを知っていながら未だに彼を待ち続ける私もどうかしているのでしょう。
今日も、彼が私の知らない所で私の知らない女に一言、愛を囁いたとしても、私は、きっと…。


「ん…ぅ、神父…様?」
「愛してるぞ、清明」
囁く。
やや低めの声は脳まで溶かす勢いで体に染み込んだ。
嗚呼、酷い人。
愛しているだなんて。
また、そうやって私に光を見せるのか。
酷い人。
私も、貴方も。
貴方がそうやって帰ってこられる場所を用意して、飽きもせず身体を預けて貴方からの愛を貰おうと媚を売る。
どちらも最低なら、どちらも最高に屑になってしまえばいい。
全てが霞む程の穢れで、私を犯して、壊して、何も…何も……感じなければ良いのに。
私はどうも外道になり切れない。
消え去った温もりに顔を埋め、静かに流れる貴方への愛がシーツに染みを作った。
どうか、
どうか、戻ってきてくれないだろうか。
私を
私だけを愛してはくれないのだろうか。
もう、一層の事捨ててくれれば良いのに。
酷い人。
貴方の心が分からない。
私の心も分からない。
本当なら、こんな最低な奴、捨てて当然だと世間様は言うけれど、私は貴方を愛してしまったから。
浮気を許す私も、私が許すと知っている貴方もきっと、誰にも認めてもらえない。
それならば
それならば二人で堕ちましょう。
奈落のもっともっと底へ。
そうすれば、きっと…貴方は……………………




「神父様、月が綺麗ですよ。」
一人、ベッドから見える分厚い雲のかかった夜空に微笑みかける。
頬を流れる感情が何かに照らされた。

私を忘れないで→←二人=一人



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (6 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

愛猫家(プロフ) - 晴ちゃんぐうかわぁ…かわぁ…(萌死) (2018年8月12日 21時) (レス) id: 9ee9456139 (このIDを非表示/違反報告)
愛猫家(プロフ) - littleさん» 頑張れぇw (2018年8月10日 23時) (レス) id: 9ee9456139 (このIDを非表示/違反報告)
little(プロフ) - 愛猫家さん» おけー、部上書き終わったら入れるわ笑 (2018年8月10日 16時) (レス) id: f8e3273049 (このIDを非表示/違反報告)
愛猫家(プロフ) - littleさん» wwwあっ、神神もみたいn(屑)頑張ってね…() (2018年8月9日 20時) (レス) id: 9ee9456139 (このIDを非表示/違反報告)
little(プロフ) - 愛猫家さん» おん…暇があればな笑笑(記憶喪失書く、明日世界が滅ぶは…うん、頑張ってみる笑 (2018年8月9日 8時) (レス) id: f8e3273049 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ajgmdjtp x他1人 | 作成日時:2017年11月13日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。