二十四回目 ページ24
祖父と目の前の男がにらみ合う。思わず裕也は一歩下がった。それを男は一瞬だけ見るとまた高時に視線を戻した。それからふっと笑う。
「何かと思えば…まだ根に持っているのかね？」
高「当たり前だバカヤロー。よくぞ人の娘を殺しかけてくれたなお前は。」
「いまさら…。」
高「おい、今鼻で笑ったよな？笑ったよな？」
男は高時を無視して裕也の方を見た。
「…凶王と貴様の娘の子か。」
高「ご名答。つーかお前、マジで死んでなかったのかよ。」
「死ぬか、あの程度で。お前よりも早くは死なない自信がある。」
高「そりゃ楽しみだ！」
高時は男が目の前にしている墓のもとへ歩み寄った。裕也もこっそりあとに続く。
高「…お互い、主家を裏切って運良く生き延びたってことだな。」
「運良く？悪いの間違いだろう。」
高「かもな。」
二人がどんな関係かは知らないが、因縁が深いらしい。
間に入るわけにもいかず、なんとなく墓の家紋に目をやった裕也はまた一歩下がった。それだけでは済まず、また一歩下がる。話しかけようとはするが、どっちに声を掛ければいいのか…。
あたふたしている裕也の目の前で二人はまだ話続けている。
高「つーか、お前がここに来る理由なんてないだろ？裏切り者。」
「先に裏切ったやつがいうか？」
高「いや、俺は無関係じゃないんでね。こいつとはちゃんと家族なんで。…あ、お前は助けられたことがあったっけ？」
「その恩返しにわざわざ私がこんなところまで来たと？そんな単純なものか。」
高「どうだか。つーか、最初に裏切ったのお前だろ。しくじってなんとか許されて戻ってきたけど。」
「…そういうお前はどうなんだ。あの方が死んだのは…。」
高「そうだ、俺のせいだ。それだけは変わらん。」
「そうか。…ところで、お前の孫が後ろであたふたしているが？」
男の一声でようやく裕也が動きを止めた。高時が振り返ってため息をつく。
高「何をやってんだ、お前は…。」
裕「いや、だって！その家紋って…つーか、二人が元々仕えてたのって、その家紋の家？」
「だいぶ昔に離反したがね。」
裕「これはいかん気がする。普通にあかん気がする。」
チラッと裕也はその家紋を見た。『五つ木工』と呼ばれるその家紋を持つのは…。
裕「爺さん、こんなとこに仕えてたの？」
高「まあ、もう昔々の大昔の話だがな…。じゃ、昔話でも始めるか。こいつもいることだし。」
そして始まる、情報屋の起源の話。
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ななみ(プロフ) - 疾風少女、めっちゃ感動しました〜！何回見ても泣けましたよ(^^♪ 笑えるところもいっぱいでした。頑張ってください(*´∀｀*) (2014年8月29日 10時) (
レス) id: abde43f194 (このIDを非表示/違反報告)
月詠命 - 最近忙しくて、なかなか見れずにいましたが、久々に見れました！やっぱりこの作品とても面白いです！更新頑張ってください！ (2014年8月16日 13時) (レス) id: 257169186b (このIDを非表示/違反報告)
桜楼(プロフ) - 白鈴さん» すみません、なかなか忙しくて…。応援ありがとうございます！ (2014年5月31日 21時) (レス) id: b7bc56638c (このIDを非表示/違反報告)
白鈴 - (たぶん)はじめまして、白鈴と言います。本編のほうも番外編のほうも、この小説、大好きです！更新、頑張ってください♪応援してます！ (2014年5月8日 19時) (レス) id: c5c1a67bf2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠命 - こちらこそよろしくお願いします。続きを詠めるのを楽しみに待ってます。 (2014年3月3日 21時) (レス) id: 49e70c2b0c (このIDを非表示/違反報告)
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