十一回目 ページ11
貴「簡単に行くとは言ったけどさあ、どこにあるかよくわかんないんだよね。」
三「ちゃんと聞いとけよ、あの親バカに。」
貴「テヘペロ。」
三「それ、次言ったら残滅するぞ。」
貴「勝手に一人でやってくださいな。」
三「おーい、言葉の意味わかってるか?」
今日中になど無理に決まってる。何しろ尾張までわざわざ来なければならないのだから。とりあえず、高時が帰った直後に出発して現在に至る。
莉「こんなに多くのお墓があるのに、どこにあるかわかるの?母様。」
貴「わからん。」
三「だろうな。」
貴「納得するなや。大体の場所は頭に入ってますー。」
三「あとは長年の勘ですか。情報屋の勘ですか。素晴らしいですね。」
貴「最近、秀吉以外にも敬語使うようになってきたねー。」
三「そうだな。とりあえず、首筋を晒せ!秀吉様を呼び捨てにするな!」
貴「わーこわーい!」
莉「二人とも、子供じゃないんだから・・・・。」
Aは片手にお供え物か何かを持ってふらふらと歩いていく。本当にこっちであっているのか疑わしい。だが、父は何も言わずについていく。
莉「父様、こっちで大丈夫なの?」
三「あいつに任せた時点で大丈夫じゃないから安心しろ。」
貴「聞こえてるからな白髪!!」
怒鳴った後、ふとAが足を止めた。右と左を見比べた後、右を指差した。
貴「たぶんこっち。」
三「はいはい。」
近づいてきたのか、きょろきょろと辺りを見回しながら歩いていく。やがて一つの墓の目の前で立ち止まった。
三「見つけたか?」
貴「うん。」
いつになく真剣な様子でAはじっとそれを見つめている。莉那も母の近くに走り寄った。母が見ている墓の家紋を見て、父がぎょっとしたように母を見た。
三「おい、お前これ・・・」
貴「言いたいことはわかるけどさあ・・・マジらしい。」
三「・・・本気か?」
貴「母様は確か、あの人の妹だよ。」
三「じゃあお前はあれの姪!?」
貴「いや、改めて事実を目の前にするとなんかねえ。ぞっとします。」
三「今初めて知った私の身にもなってみろ。」
一体誰のことなのだろう?二人は恐れているような様子にも見て取れる。でも、こんな家紋は見たことがない。
莉「ねえ、母様。これってどこの家の家紋?」
貴「え!?あ、知らなくて当然なのか。」
三「そうなのか?裕也がこの前意気揚々として聞きに来たんだが。」
貴「なんでよ。」
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ななみ(プロフ) - 疾風少女、めっちゃ感動しました〜!何回見ても泣けましたよ(^^♪ 笑えるところもいっぱいでした。頑張ってください(*´∀`*) (2014年8月29日 10時) (レス) id: abde43f194 (このIDを非表示/違反報告)
月詠命 - 最近忙しくて、なかなか見れずにいましたが、久々に見れました!やっぱりこの作品とても面白いです!更新頑張ってください! (2014年8月16日 13時) (レス) id: 257169186b (このIDを非表示/違反報告)
桜楼(プロフ) - 白鈴さん» すみません、なかなか忙しくて…。応援ありがとうございます! (2014年5月31日 21時) (レス) id: b7bc56638c (このIDを非表示/違反報告)
白鈴 - (たぶん)はじめまして、白鈴と言います。本編のほうも番外編のほうも、この小説、大好きです!更新、頑張ってください♪応援してます! (2014年5月8日 19時) (レス) id: c5c1a67bf2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠命 - こちらこそよろしくお願いします。続きを詠めるのを楽しみに待ってます。 (2014年3月3日 21時) (レス) id: 49e70c2b0c (このIDを非表示/違反報告)
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