味方�� ページ37
『漣ジュン』
ぽたぽたと、雫が滴る。
つぅ……と、首から水が滑る。
水をかけられた、と理解すると同時に『……あ？』と声がもれた。
「あ"っ、」
『……』
「ご、ごめんなさい！ つい、ってか何かムカついて……」
目の前の彼女は難なくオレの腕を剥がし、手に握っていたペットボトルを地に放った。
放心状態のオレに慌てながら平謝りする。
頭に上っていた血が冷めるように、オレは自分の手のひらを見つめた。
『……すんません、ちょっとオレも言いす』
「タオル、あ、待って、あった！ 良かった……」
まだ慌てているのか、彼女の動きはぎこちない。
そして乱雑にオレの頭をタオルで拭いた。
『いや、別に良いですから！』
「！ あ、ご、ごめ……」
オレが忙しなく動く彼女の手首を掴むと、途端に縮こまる。
その表情に、オレがしたことの重さがのしかかった。
『頭冷えたんで丁度良いです。』
「そ、そっすか。」
『……ほっぺ、すんません。女の子なのに、』
自分の口を手で覆いながら謝ると、彼女の頬は一気に赤くなる。
しかしすぐに顔をそらし、平静を装いつつうなずいた。
「何かよくわかんないですけど。漣先輩が言ったことはほんとのことなんで。えっと……これからはアイドルでも躊躇なく突き飛ばすようにします？」
『……』
首をかしげて言うAさんを見ながら、夢ノ咲の生徒に心の中で謝る。
頭に浮かんできた生徒は、先程まで話していた彼だった。
ーーー…
『教えてあげましょうか、あいつの嘘を。』
衣更さんはオレの言葉にポカーンと呆然する。
しかしすぐに「あぁ、別に良いよ。」と笑った。
『は？ 気にならないんですか。』
「いや、気になるは気になるけどさ。そういうのはAに直接聞くから大丈夫。」
晴れやかな表情には、まだ少し不安が残っている。
そこを叩けば、この人はすぐ落ちるに決まってる。
『聞けるんですか、あいつに直接。』
「……あー、えっと、」
『それに、また嘘つかれるかもしれませんよ。』
衣更さんは今、完全にAさんを信じているわけじゃない。
そう自分の心に言い聞かせながら、オレはもう一押しする。
『知りたいでしょ、Aさんの秘密。』
写真の準備はもう終わってる。
昨日パソコンからデータは移し終えた。
ごくりと鳴って隙ができた彼の喉に噛みついて、色々吹き込めば。
あいつは、潰れる。
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生しょうが(プロフ) - にゃーちゃんさん» うわぁぁ！更新できず申し訳ないです！！面白いだなんて照れますね…！これからも読んでくれると嬉しいです！！ (2022年12月17日 12時) (
レス) @page26 id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！とても面白くて、引き込まれる様に一話から最後まで全部読んでしまいました…!!続きがとても気になります！更新頑張って下さい、楽しみにしてます！ (2022年12月14日 15時) (レス) @page25 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - 空桜さん» こ、こんな長編を一気読み…!?（大歓喜）ハマっていただけて嬉しいです！あとちょっとで投稿ペースも戻ると思うので、これからも見守っていてください…！笑 (2022年11月23日 20時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 初めまして、更新お疲れ様です。昨日から一気読みするくらいハマってしまいました笑 イベントやスカウトを交えつつオリジナルのお話を読める作品は中々なかったので新鮮です。お知らせも読みました。ご自身のペースで無理はなさらずに頑張って下さい (2022年11月19日 21時) (レス) id: bedbd72616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが x他1人 | 作成日時：2022年10月29日 16時
