冷たい熱�� ページ36
『清海A』
ぐっと顎を掴まれて、先輩の切れ長な瞳に見つめられる。
周りが見えていないようにも見える彼は、悲しげな表情を浮かべていた。
「これ、誰かに見られたらどう思われますかね。オレがあんたを無理やり襲ってるように見られるかな。」
『っ、ちょ、』
「既成事実でも作っちまえば、もっとやりやすくなる。」
瞳がゆっくりと閉じられ、整った顔がどんどん近づいてくる。
動きが鈍っている私の頬に柔らかな感触と、生温かい熱を感じた。
何をされたのかわかった瞬間、目が思いきり見開く。
今、こいつ、私に……
直後、「ふはっ……」と笑って、彼は私の髪を耳にかけた。
「もうこれで、言い逃れはできないですね。あんたはオレの共犯だ。」
『ふっ……ざけんな！ 完全に不可抗力、』
「あんたならオレを殴るなりなんなりして回避できただろ。『イルカ』だっけ？」
サーッと頭が真っ白になった。
何で先輩がそれを知ってる、知られている？
流れるような仕草で彼が見せつけてきたスマホの画面には、見覚えのある男が横たわっていた。
「全治三週間でしたって。これ、あんたがやったんですよね。」
『……』
『学院祭』前に私に絡んできた奴ら。
飛び散っている血も、転がっている歯も、全部私がやった。
盗撮されたとか、ダサすぎ。
「力いっぱい突き放せば、あんたはどうにかできたんだ。それをしなかった……いや、できなかったのか？」
『それは！』
「たった一日一緒に遊んだだけのオレにここまで情がわくAさんが、アイドルを守れるんですか。」
もし彼らが私を求めてしまったら。
考えたくもない可能性は、ずっと頭の隅にあった。
でもどうにかできると思ってた。すると思ってた。
それがこのザマなんだ、先輩が失望するのも当然か。
「これでオレのアイドル生活が終わるかもしれない。あんたにはそれくらいの責任があるんですよ？」
しかし、彼は何故このタイミングで私に問いかけてきたのか。
彼が何を考えて、何をしたのか。ピンときた答えはあまりに残酷で。
『漣先輩……あんたは私のことを、
『真緒先輩に話したんですか？』
____「……だったら何ですか？」
彼の瞳には、火が灯っていた。
それを情熱というにはあまりに重くて、決意というにはあまりに汚くて。
どうにもできない感情が煮え
瞬間、閑静な噴水広場の中心で、パシャッと響いた。
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生しょうが(プロフ) - にゃーちゃんさん» うわぁぁ！更新できず申し訳ないです！！面白いだなんて照れますね…！これからも読んでくれると嬉しいです！！ (2022年12月17日 12時) (
レス) @page26 id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！とても面白くて、引き込まれる様に一話から最後まで全部読んでしまいました…!!続きがとても気になります！更新頑張って下さい、楽しみにしてます！ (2022年12月14日 15時) (レス) @page25 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - 空桜さん» こ、こんな長編を一気読み…!?（大歓喜）ハマっていただけて嬉しいです！あとちょっとで投稿ペースも戻ると思うので、これからも見守っていてください…！笑 (2022年11月23日 20時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 初めまして、更新お疲れ様です。昨日から一気読みするくらいハマってしまいました笑 イベントやスカウトを交えつつオリジナルのお話を読める作品は中々なかったので新鮮です。お知らせも読みました。ご自身のペースで無理はなさらずに頑張って下さい (2022年11月19日 21時) (レス) id: bedbd72616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが x他1人 | 作成日時：2022年10月29日 16時
