*木に花 ページ16
ジャーファルside
あれから、数年___卦凰帝国は滅んだ。
彼女が自らした。
国民は怒ったが、彼女のことを知って、国民は理解して、去った。
神覇殿や菊犂殿は、シンドリアの王宮で働いてもらっている。
Aさんは___
「あれから、数年経ったなぁ」
「ええ」
「彼女が、神と共に旅立って、経ちましたね」
あの日。彼と旅に出た。
世界を変えるために、人をちゃんと見て、考えて。
私は止めた。行かないでくれ。と、はじめてそのような気持ちを言ったかもしれない。
けれど、嬉しそうな顔をして、ごめんね。と言った。
「かなりショックでしたよ」
「ははは」
「なに笑ってるんですか。縛り上げますよ」
「すまん。よして」
それから世間話をして、仕事へと戻った。
◆
「ジャーファル様」
「どうしました?マリン」
前より少し、大人びた彼女。彼女はAさんと、旅立つ前なにかを話して、大人びた。
マリンが言う。
「サプライズを行いますので、部屋に行っててください」
「?なんの、サプライズ?」
「それは言えません。神覇!連れてって!」
と言うと、神覇が私を抱き上げた。私は驚く、けれど、
神覇は抵抗もさせず、あっという間に私を部屋に閉じ込めて、行った。
「……なんなんですか……」
サァ、とカーテンが揺れる。その方をみた。すると、
「A、さん?」
彼女がいた。
幻覚か?けれど、でも、私は動いていた。
彼女へ向かっていっていた。彼女も、受け入れると言わんばかりに、両手を広げた。
そして、
「Aさん……!」
「ジャーファル……!」
私達はお互いを抱き締めた。
離れないように、それはもう、しっかりと。
彼女が言う。
「ただいまぁ、ジャーファル」
「はい、おかえりなさい」
「……ふふ」
「なんです?」
Aさんは私から離れて、私の手を掴み、腹部へと触れさせた。
訳がわからず、ハテナマークを浮かべる。
彼女は楽しそうに、笑う。
そして、訳を説明してくれた。
「あ か ち ゃ ん♪」
「……はぁ!?」
私は思いっきり、手を離す。が、その手を強く掴んで、また触れさせる。
「いつのまに……」
「確かに、私は貴方と交 尾してないけど」
「さらっと言わない」
「神が孕ませてくれたのよ」
それはとても、嬉しそうだった。
「あ、神は……?」
「彼は戻った。父さんも、もとの場所へ」
しまった。と思ったが、彼女はまだ嬉しそうで、気にしていなさそうだった。
「……ありがとう。Aさん」
「……こちらこそ」
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