魚はいいぞ。 ページ7
気を取り直して。
今日見学して、もっとこの部に入りたくなったのは本当だ。
近くで見るのにキドキした。ヒヤヒヤの意味合いではなく。
そして、あの部員の数に対してマネージャーが一人は大変だと思う。さっきはああ言われたけど、普通あんなに言えない。
だって、犬……じゃなく猫の手も借りたいような状況でもちゃんと仕事する人を選ぼうとするなんて、完璧なマネージャーだ。
あの先輩の手助けがしたいと、思った。
「君、本気でやれる?」
『もちろんです』
「部員目当てだったりしない?」
部員目当て……?
目当て:狙い。的。 目的。 など
部員が狙い……? (命的な)
はっ、もしかしてこの部は危機管理能力が低いように見えて、実はとんでもなく高いのかもしれない。
若い芽は早いうちに摘めとな。
しかしそんな気はさらさらない。知ってる人一人もいないんだもの。
『違います』
「口では何とでも言えるよ?」
面倒くさ……いなんて思ってないヨ!!!
そろそろ直球でこいや、と内心イライラが蓄積し始めた頃、さっきボールを強く打っていた人が部長の背後に来た。
「もうその辺にしとけ。違うっつってるべ」
「ちょっと待ってよ。まだ分からないし」
「まぁまぁ、ここは魔法の呪文を使おう」
ピンク髪の人が新たに出現。その隣は……大人?
よく分からない言葉を前の四人が交わした後、こちらへと向き直った。
迫力あるなー。
「コイツ、知ってるか?」
ピンクさんが部長さんを指差した。やばい。
何がやばいって……
「さっき自己紹介したから知ってるに決まってんじゃん!」
……さっき自己紹介してもらったのに、
名前覚えてない。
ああああ!!! 待って!? 確か……
魚!! 思い出してた!!!
どうぶつが住民の森の!!
でも何だっけ……。
人名っぽい魚…………。
イトウ? スズキ? ……クリオネ? いやいや、それは流石に覚える。
他には……忘れた。
この間にも四人に見つめられる。
一か八か。意を決して、口を開いた。
『……スズキさん?』
この反応は間違えたな。
『イトウさん!』
これも違う。
『……クリオネ、……イシダイさん?』
どれか当たってるよね!
なんて期待は崩れ落ちた。目の前の男子高校生四人と共に。
そして、体育館の雰囲気は真冬の海のような寒さとなった。
魚だけに。
やめて!この寒さを一番分かってるから!!
(ちなみにイトウは川魚☆)
826人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水上灯 - とちゅうでアジさんとかイシダイさんとか言ったのマジくそワロタwwwwww (2022年8月27日 13時) (レス) id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
はむ - すごく読みやすくて面白いです!完結してしまうと思うと寂しいですが完成を楽しみに待っております!無理のないよう更新頑張ってください!応援しています!! (2020年5月28日 1時) (レス) id: 655f827a56 (このIDを非表示/違反報告)
木乃伊(プロフ) - とっっても面白いです!更新頑張って下さい!! (2020年5月27日 16時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
bu-ko(プロフ) - アッッッ好きィ……………応援してます…! (2020年5月27日 2時) (レス) id: 11f43cf002 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - コミカルで面白いし、夢主ちゃんのちゃんとしたかわいさもあるところほんとに最高です!!応援しています! (2020年5月27日 0時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:藍原 | 作成日時:2018年4月14日 20時