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佐野先生「お久しぶりです。その後どうですか？彼の様子は」
そう、私が立ち寄ったのは彼が入院した病院。
そして、彼の担当医である佐野医師を訪ねることにしたのだ。
「今はすっかり日常生活ができてますけど、記憶の方は全く…」
佐野先生「そうですか…。それにしても、このノートも随分埋まりましたね。へぇ、色んな発見があるんですね…」
佐野先生は、私がこれまで書き溜めたジント君の観察ノートを興味深そうに眺めていた。
「それで、どうすればいいでしょう？彼があの川原の土手で倒れてたあの日から、もう4か月も経ってるのに、全然彼の記憶は戻らないですし…。このままじゃ、もうずっとあのままかも…」
佐野先生「うーん…。正直のところ、こうすれば絶対戻る、こうすれば症状が改善する、なんてものは、今の医療技術では存在しません。
前にも言いましたけど、自然に回復させるしかないんです。それはもしかしたら何十年とかかるかもしれませんし、明日戻るかもしれません。
根気強く、彼のそばにいてあげてくれませんか？彼にとって、今はあなたしか頼れる人がいないんですから」
「そう、ですよね…」
佐野先生「大丈夫ですよ。それに、警察の方も、彼の過去や面識がある人がいないかどうか捜査してくれてます。
もしよかったら、今度彼を連れてきてください。久しぶりに彼の話も聞いてみたいですし、カウンセリングさせてください」
「分かりました。彼に伝えておきます」
そう言って、佐野先生と別れを告げ、私は家路につくことにした。
ジント君、あなたは一体どんな人だったの？
今みたいに、盆栽が趣味の優しくて素敵な人だった？
ねぇ、私、どうすればいい…？
見上げた空は、なんだか今にも雨が降り出しそうな天気だった。
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milkssss(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます！最後までお付き合いいただけると、嬉しいです！ (2020年2月25日 21時) (
レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2020年2月25日 2時) (レス) id: f0de405ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年2月19日 15時
