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曇り空の下、病院を後にした私は自分のマンションに向かって歩いていた。
しかし、どうもさっきから何かおかしい。
私が歩くと、その遥か後方で同じような足音が聞こえる気がする。
そして、私が止まればその足音も止まる。
けれど、ちらっと後ろを確認しても、誰もいない。
気のせいか…？
そう思って私はまた歩き始める。
でも、今度ははっきり気配を感じる。
私の後ろに、誰かいる。
少し早歩きになって、私は後ろの何かと距離をとろうと思った。
けど、後ろの何かも同じスピードで付いてくる。
何で…？
まさか、誰かに付けられてるってこと…？
い、いつから…？
言いようのない恐怖が襲う。
辺りは薄暗くなって、更にその恐怖心を助長させる。
早く帰らなきゃ。
早く帰って、ジント君に会いたい…。
私はジント君の顔を思い浮かべながら、一目散に家まで走っていた。
どうにかマンションに辿り着き、エントランスを潜り抜けて、私の部屋がある3階まで階段で駆け上がる。
そして玄関の鍵を震える手で空けると、勢いよく中に入ってすぐさま鍵をかけて普段は掛けないチェーンも引っ掛けた。
「はぁ…はぁ…」
肩で息をする私の後ろで、バンビの足音とジント君の声が私を出迎えてくれた。
ジント「Aちゃん、おか…え…。どうかした？大丈夫？」
ジント君に誰かに付けられていたことを言うべきだろうか？
いや、彼に変な心配をかけるのは止そう。
自分の記憶を失った彼に、これ以上の不安やストレスなんて、与えちゃだめだ。
「な、何でもないの！雨が降りそうだったから、急いで帰って来ちゃった！ご、ご飯できてる？はぁーお腹すいた！」
私はわざとらしく声を張り上げながら、キッチンの方へ向かった。
けど、ジント君はそんな私の肩を掴んで、無理やり自分の方へ引き寄せてきた。
ジント「ほら…こんなに震えてる…。何があったの…？」
「何でもないってば…。大丈夫…。ちょっと寒いだけだよ…？」
ジント「…俺には言えないこと…？」
「そうじゃないって…。本当に…」
ジント「何で嘘つくの…？俺、そんなに頼りない…？やっぱり、記憶がないから…？」
「ち、違うの！本当に、何でもないから…心配しないで…？」
ジント「……。わかった…。でも、本当に何かあったら、すぐに言ってね…。ご飯、すぐ準備するね…」
ちょっと落ち込ませてしまったかな…。
でもごめん…。
私、ジント君に心配かけないように、頑張るからね…。
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milkssss(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます！最後までお付き合いいただけると、嬉しいです！ (2020年2月25日 21時) (
レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2020年2月25日 2時) (レス) id: f0de405ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年2月19日 15時
