裏まで見えない、の段4 ページ23
いきなり怒鳴り声を上げたAに店の男性は、思わずたじろぎ、辺りの人も驚いた顔をしていた
『聞こえないのか?この女の子は何処だ⁈』
「ま、待ってください、直ぐに呼びますから!」
男性は、Aが握りしめていた紙に書かれた少女の顔を見ながら、一人一人の遊女の顔を確認していく
後ろでは、今にも殴りかかってきそうなAが居る為、素早く確認していた男性
すると、一人の少女の前でピタリと止まった
「あ、あの!この子でしょうか?」
『…間違いない。行方不明の女の子だ。』
見つかった、紙に書かれた少女の目の前に立つと、もう一度再確認して、小さく頷いた
女の子は、自分の探し届けを見ると、目に涙を浮かばせた
喜びか安堵の涙かは、分からないが、次々に大粒の水滴が白粉が塗られた肌を伝っていく
『もう大丈夫。貴方は、自由だよ。』
「あっ…ありがとう、ございます…!」
「すいません…お取り込み中の所ですが、この子を此処から出すなら、代金を…」
申し訳なさそうな顔をする男性に、Aは大きな目で睨みつける
怯える声が聞こえたが、Aの無言の威圧は止まらない
『この子は、接客もしていないだろう。なのにか?』
「ま、まあ…この子の今までの生活費など…」
「お姉さん!払わなくていいです!私が借金して返しますから!」
Aの白い手に優しく触れながら、首を振る少女に、先程とは打って変わって優しく微笑む
『気にしないでいい。これで足りるだろ!』
そう言うと、懐から大量の小判を出し、男性へと投げつけた
『急いでこの子を出せ!』
「は、はい!」
その後、解放された女の子の家まで付き添い、Aの任務は終わった
しかし、Aは女の子と店の男性と別れる前に、もう一つの似顔絵を見せていた
ー 『この男が女の子を連れて来たのか?』
『貴方は、この男に連れ去られた?』
女の子と男性の答えは、どちらも、"はい"
その似顔絵の男は、Aと友人となった、あの男に瓜二つだった
次の日の朝、Aは赤い着物に着替えると、足早に忍術学園を出て行った
そして、その事に気付いた二年生と一年生
三郎次「A先輩、あの人の所へ行くのかな?」
乱太郎「そうだと思います!皆んなで尾行しましょう!」
ゆっくり跡をつけ始める二学年、しかし、これもAの計算の一つだとは気付いていなかった
『順調だな。』
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B.A.D.寄りの6年ろ組推し - めっちゃ面白いです!続き出してほしいです!どうかお願いします🙇♀️更新よろしくお願いしますー!! (2021年11月15日 23時) (レス) @page35 id: 544b7ce66d (このIDを非表示/違反報告)
airi01012005(プロフ) - 唯さん» リクエストありがとうございます!了解しました! (2020年4月23日 2時) (レス) id: d9e2a8c011 (このIDを非表示/違反報告)
唯(プロフ) - airi01012005さん» 今晩わ、リクエストです!生物委員会全員に幻術を掛け(下級生は弱め竹谷と夢主は超強め)助けに来た5年生と6年生に襲い掛かるお話をお願いします。別件で「忍術学園5年生には木下鉄丸の娘がいます」を書いてますのでもしよければ読んでください。 (2020年4月22日 22時) (レス) id: 238aca14d7 (このIDを非表示/違反報告)
airi01012005(プロフ) - 唯さん» リクエストありがとうございます!了解しました! (2020年4月7日 12時) (レス) id: d9e2a8c011 (このIDを非表示/違反報告)
唯(プロフ) - (続き)起きるにはその妖怪を探しだして倒してからという感じでお願いします。 (2020年4月7日 12時) (レス) id: 238aca14d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:airi0101 | 作成日時:2019年11月9日 23時