裏まで見えない、の段５ ページ24
のんびりと歩いていたAだが、急に足を速め、駆け出していく
尾行していた一、二年生も距離を取りすぎないように、慎重に跡をつけた
すると、先頭の三郎次がピタリと止まり、全員の顔が前の人の背中に激突してしまった
久作「三郎次、いきなり止まるなよ…」
三郎次「ごめん。でも、彼処にA先輩とあの人が居たから、つい止まっちゃった。」
指差す先には、談笑するAとあの人こと、咲目が居た
何回見たとしても、たじろいでしまう程に絵になる二人だが、今日は以前とどこか雰囲気が違う
庄左衛門「何か、真剣な話でもしてるのかな？」
団蔵「でも、あのお兄さんは笑顔だよ？」
小さな耳を柱の影から見えないようにしながら、聞き耳を立てていると、Aの優しい声が聞こえて来た
優しさと甘さが混じった声に、違う意味でドキドキしてしまう
『今日は、あの話のお返事を言いに来たんです。悩みましたが、しっかり決めましたよ。』
咲目「僕とのお付き合いの話ですよね。ちゃんと考えてくれて嬉しいな…。聞かせてくれますか？」
少し間が空いて、Aの口がゆっくりと開き出した
ゴクリと喉が鳴り、桃色の唇から発せられる言葉は、嬉しいものか悲しいものなのか、不安でしょうがない二学年
もう、聞きたくない気持ちもあるが、知りたい気持ちは抑えきれないのだ
覚悟を決めた瞬間、衝撃の言葉が響いた
『お断りします。そして、二度と会いません。』
咲目「は…？」
四郎兵衛「嘘⁈」
金吾「静かにしなきゃ、バレますよ！」
冷たく、唇裂な言葉が優しいAから発せられた事に、両者の驚きは隠しきれていない
しかし、咲目は異常な程に驚き、言葉を失っていた
『貴方は、いや…お前は私の外側しか見てない。君は、おしとやかで、素敵だと言っていたが、そんなのお前を騙すための外面だ！』
そう言うと、大量の紙を咲目に投げつける
紙には少女の似顔絵が丁寧に書かれていた
乱太郎「まさか、あの人…女の子を誘拐してた…」
左近「うん。そうに違いないよ。」
このままでは、Aの身が危ないと察知した二学年は、助けに行こうと足を踏み出したが、地面を見て、固まってしまった
三治郎「ど、どうして？」
地面には、砂文字で急いで忍術学園へ、とだけ書かれていた
すると、その間にAの苦しそうな声が聞こえ、顔を覗かせると、口元は布に塞がれていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
B.A.D.寄りの6年ろ組推し - めっちゃ面白いです！続き出してほしいです！どうかお願いします🙇♀️更新よろしくお願いしますー!! (2021年11月15日 23時) (
レス) @page35 id: 544b7ce66d (このIDを非表示/違反報告)
airi01012005(プロフ) - 唯さん» リクエストありがとうございます！了解しました！ (2020年4月23日 2時) (レス) id: d9e2a8c011 (このIDを非表示/違反報告)
唯(プロフ) - airi01012005さん» 今晩わ、リクエストです！生物委員会全員に幻術を掛け(下級生は弱め竹谷と夢主は超強め)助けに来た５年生と６年生に襲い掛かるお話をお願いします。別件で「忍術学園５年生には木下鉄丸の娘がいます」を書いてますのでもしよければ読んでください。 (2020年4月22日 22時) (レス) id: 238aca14d7 (このIDを非表示/違反報告)
airi01012005(プロフ) - 唯さん» リクエストありがとうございます！了解しました！ (2020年4月7日 12時) (レス) id: d9e2a8c011 (このIDを非表示/違反報告)
唯(プロフ) - (続き)起きるにはその妖怪を探しだして倒してからという感じでお願いします。 (2020年4月7日 12時) (レス) id: 238aca14d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：airi0101 | 作成日時：2019年11月9日 23時
