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十六 ページ16

うぐいすが、ないている。
ひしひしと床が軋む音が聞こえる。

まだ朝方なので、物音は静かな方だ。

いつも朝一番に起きるチョロ松は、
台所に続く廊下を歩いた。




「さーて。準備しますかあ。」

動きやすいように着物の袖を紐でくくった。


チョロ松は結構手際がいい。

包丁のトントンというリズミカルな音が響いた。
お味噌のいい香りが漂っている。




少し時間が経った時だった。






「おはよう、です。」

「ん?」



チョロ松が
コトコトと煮詰まりかけている鍋を見ていると、
ボソボソッとした可愛らしい声が聞こえて来た。



「ちゃんと挨拶できて偉いね〜。おはよう。」

チョロ松は少女の前に立ち頭を撫でた。
それが嬉しかったのか、
少女は溶けたような笑顔を見せた。



「もう少しで、朝ごはんが出来るから、
あっちで待っててね。」


「わかった。



えっと…チョロ、松?」



こてんっと頭を傾ぐ姿はとても可愛い。

人間ってだけで、愚かという感覚があったが、
こうしてみると、「ちよみたいな子もいるのか。」
と考えさせられてしまう。



「チョロで構わないよ。
僕もちよと呼ばれて貰うからさ。」

「うん。わかった。チョロ!」


ちよが居間へとかけていった。






ん"んっ!!


「ただひたすらに可愛い」と言うのは、
こう言うことなのか。



なぜか、この子を見ると、
昔いた集落の猫目なあの子を思い出してしまう。

あの子もとても可愛かったなぁ。






「いつか、
会える日が来たら会えるといいな。なんてね。」

こんな姿じゃあ会えても怖がらせるだけなのに。




小さな一人言は誰の耳にも届かず、消えていった。

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癒秘松(プロフ) - 面白いです頑張ってください! (2019年5月22日 22時) (レス) id: 9ccb3af217 (このIDを非表示/違反報告)
依愛(いあ)(プロフ) - ももまつ(全松girl)@低浮上気味さん» ほんとですか!!ちょっと妄想話を書きなぐりみたいな作品だったんでそう言われると嬉しいです!!コメントありがとうございます( *˙˙*) (2019年5月2日 21時) (レス) id: c6db1ac225 (このIDを非表示/違反報告)
ももまつ(全松girl)@低浮上気味(プロフ) - とても面白くて、続きが気になります!更新、頑張って下さい! (2019年5月2日 19時) (レス) id: c97f3faa63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。 | 作成日時:2017年8月8日 13時

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