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じゅうにの障害 ページ13

「困っちゃいますよね、こんな話聞かされたって。」

彼女は困ったように笑う。
そんな風に笑わないでくれ。
いつもみたいにあったかく笑ってくれ。

「無理すんなよ……!!」

俺は彼女を引き寄せた。
車いすがあるにも関わらず、無理やり俺の膝の上に横向きに座らせ、ギュウと抱きしめた。

「もう慣れたんです。大丈夫だから…他の人みたいに、困った顔して私から離れてくんでしょう……?」

そう言う彼女の目には涙が浮かんでいる。

「外、行きましょっか。」

そう彼女に声をかけると、俺は彼女を抱きかかえたまま外に出た。
周りの人にはめっちゃ見られたけど、そんなの気にならなかった。

外の階段に座ると、またギュウと抱きしめた。
太ももに乗っている彼女は俺に体を預けて、静かに泣いた。

「なんでって思った……。私が障害をもったら、どうしてあんなに態度を変えるのかって…。もっと普通で、普通でいいのに……」

俺のティーシャツに顔をうずめ、少しずつ言葉を吐き出していく。
どうしようもない事だ。これからも彼女を見る目は変わらない。
それもわかっているうえで、こうして泣いていた。

「高尾くん、」
「なんすか?」
「なんであなたは、普通でいてくれるの?」

ふいにそう尋ねられた。

「俺がもし未銅さんの立場だったら、きっとそうしてほしいから、かな。」

それよりも、当たり前だと思ったからだ。
障害がある人だって、人間だから。周りの人がどんどん離れていくのは俺だって辛い。
だからだ。

その日はお兄さんが迎えに来てくれて、二人は車で帰って行った。


おさまれ、俺の心臓。
ドキドキすんな。
彼女を抱きしめた時から、俺の心臓は鼓動を早めていた。

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設定タグ:黒子のバスケ , 黒バス , 高尾和成   
作品ジャンル:恋愛
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にゃー助(プロフ) - 夕凪葵さんの作品大好きです!いつも見てます!だから、今回の雑談の落ち着きには、少し驚きました(笑)でもなんか、『夕凪葵さんだ…』と思えました(笑) (2014年5月7日 17時) (レス) id: e493149bc6 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - やばいです!高尾君かっこいいっ!更新頑張ってください。応援してますっ (2014年4月30日 23時) (レス) id: d7d9fa8f30 (このIDを非表示/違反報告)
イリス(プロフ) - 夕凪葵さん» あたしも影山好きです(*´∀`)ストーリーもいいですもんね( ´艸`)弱ペダもTOHOanimationなのでお話の雰囲気が似ているし、ストーリー重視なら見ているうちに引き込まれていきますよ(*゜д゜*)あたしも最初はなんとなく見ている感じでしたし( ̄∇ ̄) (2014年4月29日 10時) (レス) id: 188bada48d (このIDを非表示/違反報告)
snow-rabbit(プロフ) - Twitterに書かせて貰いました!! (2014年4月28日 19時) (レス) id: 84b2ac84db (このIDを非表示/違反報告)
夕凪葵(プロフ) - イリスさん» ありがとうございますです。ハイキュー、ツッキーと影山が好きです。弧爪くんもかっこいいですよねー!弱ペダは絵がどうもダメで見てないんですが、みんなカッコいいみたいですね(*ノωノ) (2014年4月28日 19時) (レス) id: 9ee3e9c412 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夕凪葵 | 作成日時:2014年4月16日 19時

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