九十七話 鬼舞辻に会った者 ページ18
_____最終選抜は終わった。
七日間、ボロボロになりながらも、炭治郎は生き残った。
一体何人の人が生き残ったのだろう。
その思いが頭から離れないでいた。
やっとのことで階段を登りつめた。
初日、Aがえぐったクレーターが未だにあるこの場所。
七日前だというのに、酷く昔のように思える。
_____そうか、Aさんも鬼に喰われたんだよな…………
初日、Aならば必ず生きて帰れると信じていた自分を殴りたい。
それこそ、また過信であるだろうに。
………今更、それをわかって何が。
亡き兄弟子(?)を思い、俯いたその時に。
「おっ炭治郎。お前が先に着いてたか」
「へ……?………Aさん!?」
突如として聞こえたAの声に、炭治郎はばっと振り返った。
そこには、よっと顔を綻ばせるAの姿があった。
その姿に、目頭が熱くなる。
…………でも、何故、ここに……
_____"何の匂いもしなかった"のに。
「何でっ……鬼に喰われたんじゃ……」
「あ?……あーうん。喰われたね……」
ははは、と笑う彼に、炭治郎は包帯が巻かれた傷が傷んだ。
勿論、あの鬼によってつけられた傷である。
「いや無傷じゃないですか……っ」
そう、初日に血だらけになったはずの服ですら、新品のように白くなっている彼は。
「"俺だから"なぁ。まぁちょっとトラブったが何とか藤襲山に帰ってきたわ」
_____俺だから、で全て納得してしまうこれが、恐ろしい。
でも説得力が凄まじくあるから、もう何も言えないのだが。
だが、疲れたと顔に書いてあるほどAはやつれていた。
あの、Aがやつれていたのである。
「…え?何かあったんですか?」
その問いに、はは、と乾いた笑みを漏らした。
_____どうやら、鬼に喰われただけじゃないらしい。
その後、Aは笑いながらこう言った。
「_____鬼舞辻無惨に会ってきちゃった」
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極暇人(プロフ) - いえいさん» コメントありがとうございます!天才だなんて恐れ多い……!とても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2020年2月1日 6時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
いえい - やっぱめちゃくちゃ面白いです!主さん天才!(^o^)更新頑張って下さい! (2020年1月31日 20時) (レス) id: 482fd09204 (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 雨鷽さん» コメントありがとうございます!応援コメントは糧になりますので、本当にありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年1月22日 18時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
雨鷽 - とても面白かったです!新しく更新されていたところを毎日見てますwこれからも更新頑張ってください! (2020年1月22日 18時) (レス) id: 7a91fc9f4d (このIDを非表示/違反報告)
極暇人(プロフ) - 大木さん» コメントありがとうございます!よくよく考えればそうですね、すいません……訂正しておきます。これからも宜しくお願いします! (2020年1月17日 13時) (レス) id: d0beec2789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:極暇人 | 作成日時:2020年1月14日 20時