夜空を眺める、君を想う。【高尾和成】

想って４ ページ4

裏庭に行くと、Aは笑っていた。

真ちゃんの視線が、Aから俺に逸れる。

「どうしたｎ…」

こっちを見て、少し不思議そうな顔をするA。


「なんだよ、お前ら付き合ってたなら言えよ」

抑えらんなくて



いかにも嫉妬してるっていう声色で
呟いた。

慌てた表情を見せるAも可愛い、なんて
思ってる暇はなくて。

「…何の事なのだよ。」

少し顔をしかめる真ちゃんに、俺はまた言った。

「とぼけんなって。
あ、ワリィ、邪魔したよな。」

うっわ、俺今最低なこと言ってる。


そう頭では思っても、止まらなくて。


さっきの二人の映像が


脳内で甦った。


これ以上、二人を傷つけるわけにはいかない。

じゃあな。

そう言って引き返す。

一度冷静になって、その後でちゃんと事情を聞こう。


彼氏とかではないけど、俺にも聞く権利はあるだろ？



＿＿＿＿そう思ったけど


「和成！」


声が、聞こえちまって。


振り返らないように頑張ってはみたけど



「和成！！！」


そんな呼ばないでくれよ。

俺は、最低な男だから。

守るって言っといて

傷つけてるのは自分だろ。

だから




少しだけ振り返って


笑顔を作った。



上手く笑えているか



少しだけ、心配だった。





【誤解。】

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