久々の�� ページ41
深「おはよう、二人とも。
今日は晴れだってさ、気をつけなよ？」
零「全く...深月こそ無理はせんようにな。
きちんと良い子に寝ておるのじゃよ」
凛「おはよ姉者、起きてきて大丈夫なの？
そっちこそ無理は禁物でしょ」
二人は、そんな私の心情を察してか、自分達よりもこっちの心配をしてくれる。特に兄様は、自身もこちらの具合の悪さを感じているからか不安そうな目だ。
何とか大丈夫だと伝えるために、壁に寄りかかったまま軽く手をヒラヒラと振った。
それを見た二人のその物言いたげな目付きや、不満げに唇をちょっと突き出すところがそっくりで思わず少し笑ってしまう。
深「大丈夫、だいじょーぶ、
こんなのいつものことだもの。
...ほら、せっかく早起きしたのに
遅刻するわよ。行ってらっしゃいな。」
呆れたように軽くしっしと手を振れば、渋々と戸を開いて、こちらを振り返り振り返り外へと出ていく。かと思ったら、扉の隙間から二人してジト目を向けてくるものだから、堪らず吹き出してしまった。
小さい子供かな？？可愛いね？？
深「全くもう...いってらっしゃい！」
びっくりする二人の目の前で、パタンと扉を閉めた。
完全に気配がなくなったのを確認してから、扉に背中を預けてズルズルとしゃがみ込む。汚いのは分かってるけれど、タイル張りの床がひんやり冷たくて気持ち良い。
ああ、でも、ここで倒れたら怒られてしまうから、どうにかしてリビングのソファまでは辿り着かなくちゃ…
深「あは、やだなぁ...」
モデルを本格的にやっていた時よりも、明らかに体力が下がっている。元々体は他の人よりも多少は弱かったけれど、ここまでじゃなかった。
深「情けなさすぎる...」
昨年零が留学してから、今日に至るまでの療養期間とは何だったのか。
楽しかった昨日の撮影。
久々にシャッターを全身に浴びて、レンズの向こう側を魅了する。今回の撮影は、メインは服や小物ではなく自分だったから、如何にして己を魅せるか。
まるで戦いに臨むような高揚感と、兄様が傍にいる安心感で、全てを曝け出せるような気すらした。
あんなに楽しい撮影は、なかなか無い。
だからこそ、悔しかった。
プロとしての意識が、この体調不良を認めたくなかった。だって、撮影後に体調を崩すだなんて、自分のコンディションが未だ完璧でなかったことの証だから。
かつての最高のコンディションを、撮影の時に持ってこれなかった力量不足が、この現状なのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 167人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ウグイス(プロフ) - ナツさん» ありがとうございますっ！！そう言って頂けるなんて、感激です！！ (2018年3月24日 10時) (
レス) id: 4cecdb7e61 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - 深月さんカッコいいですね！ああいうキャラ私大好きなんです！頑張ってください！ (2018年3月18日 23時) (レス) id: d5650580fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キャベツの芽 | 作成日時：2017年11月11日 16時
