【赤司征十郎】君の仰せのままに−執事シリーズ−

執事【24】 ページ25

征だった。









そこには、雨でびしょびしょに濡れた姿の征が立っていた。









「んだテメーやんのか?」









そう言って、一人の男が征に殴りかかる。









だけどそれを簡単に交わす征。








そしてその男の胸倉を掴み、車に押し付ける。









赤「お前たち、その人になにをした?」









「な、なんもしてねえよ!」









そういう男に、征は「チッ」と舌打ちをしてその人を離して私を掴んでいる男の人に目線が向けられる。









赤「お前、その人を今すぐ離せ」









そう言っている征の目は今までに見たことがないくらいに、怒りで溢れていて。









徐々にこちらに近づいてくる征。









だけど。









あ「来ないで」









征は、私の言葉でぴたっと止まる。









あ「征、今すぐ帰りなさい。









これは命令よ」









征を、危ない目に遭わせられない。









これ以上、迷惑をかけたくない。









「そうだ、お前この子の執事なら言う事聞けよ」









そう言って、私の腕を掴む男の力は強まって車に乗せられそうになる。









これで、いい。









お願い、征。









早くここから――……。

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