花笑みのきみ (ページ6)

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1　声　ページ6

たとえば

何気なく
青い空を見上げた時･･

急に雷が鳴りだして
すごい夕立が降ってきた時･･

いつの間にか
庭に雪が薄く積もってるのに気が付いた時‥

そんな何気ない時に

ふと

どこからともなく
優しい声が聞こえてくる。

それは

ひどく懐かしくて

どこかあったかくて

胸の内に
ほわっと灯りがともるみたいな

ちょっと泣きたくなるような

そんな気持ちになる声‥。

いつごろから
その声が聞こえるようになったのか
全然覚えてない。

いつもは
そんな声の事なんか忘れてるんだけど

嬉しい時
寂しい時

日々の暮らしの中

ふとした時に
その声は聞こえてくる。

ほら、今も

聞こえてる。

あの、優しい声が‥。

あの声は、誰の声？

分からない。

分からないけど

その声
すごく好き。

大好き。

だから
つい
じっと聞き入ってしまう。

なんて言ってるのか
よく聞き取れないんだけど

聞いてて
耳に心地よくて

いつまでもその声を聞いていたくなる。

ああ

お願い。

もっと

その声を聞かせて。

その優しい声を、もっと聞かせて･･。

そして

いつかは
その優しい声で

私の名前を呼んでほしい･･。

私の名前を呼んでくれたら

きっと
私は泣いてしまう。

泣いてしまうだろう･･。

・