あつし ページ42
文化祭〜。
さむいけどAのために頑張って学校に来た。
『おはよぉ』
「おはよーA」
まだ7時半なのに。一番乗りのAはきっと張り切ってるんだろうなー。
『ねぇ、あつし』
窓が開いていて冷たい風が吹き抜ける教室で、ふたりきり。なんかドキドキする。
「んー」
『ちゅうしたい』
飲んでいたお茶を噴き出しそうになった。なんて言った?
「も、もう1回言ってみて・・・」
『だーかーらー。ちゅうしたいのー』
やっぱりAとしばらく会えなくなるんだ。まだした事ないキスも今を逃したらもうしばらく出来ないんだ。
『んーー』
目をつぶって口を尖らすAがかわいくてかわいくて。
その細い腰に手を回して、首にも手を回して、くちびるを重ねた。
ちゅっ
『んんっ』
「かわい」
『もうちょっと、このまま・・・』
初めてAから甘えられた気がする。それがうれしかった。
「うん。おれもこのままでいたい・・・」
暖かくて、甘い。やっぱりAが大好きだ。
『・・・ないてるの?』
柄にもなくこぼれた涙を優しく拭ってくれるA、細い指が儚くて、すぐに透明になって消えちゃいそうで、もっと抱きしめたくなる。
「いなく、ならないでよ・・・」
今はAが全てなんだから。もう他のヤツも物も事もぜんぶぜーんぶどうでもいい。
Aしか、いらない。
『・・・ありがとう』
“好きな人が、あつしでよかった”
そう言ってAはもう1回おれにキスしてくれた。
・・・なにげにおれのファーストキスだったりして。
────
«さぁ!できたよ!!»
«やっば!センセこれ写真撮って〜»
«おう!Twit○erで宣伝しとくぞ!»
『じゅんびおーけー?あつしかっこいい』
「うん。A綺麗〜」
かっちり結んだ自分の髪型に、これがほんとにおれなのか疑ってしまう。
すごく絵になる姿のAにみとれちゃいそう。
2・3回練習しただけだけど、不安はない。
カフェがいよいよ開店した。
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つゆロロ(プロフ) - あひるさん» ありがとうございます。荻原ちゃんの楽器についてですが、お好きなものを想像してください(笑)私的にはバリトンやユーフォなどの低音楽器をイメージしておりますが。初コメントうれしいです!これからもどうぞ、見守ってくだされば幸いです((*_ _) (2017年11月20日 19時) (レス) id: 3fbfa2c7b2 (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!因みに夢主ちゃんの楽器はなんですか? (2017年11月20日 1時) (レス) id: a0a203a011 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つゆロロ | 作成日時:2017年11月7日 0時