【花言葉は】レタス姫【牛乳】

てつや ページ41

文化祭の前日がやってきました。


完全に校内は文化祭モード。生徒も教師も浮かれている様子がよく見られます。


『てつや』


合唱の声や生徒達が騒ぐ声に紛れて、ふと大好きな声が聞こえた気がして振り返る。


「･･･」


でも、幻聴だったようであきらめてもう一度前を向く。


「！？」


『にしし。びっくりした？』


彼女が、いた。


────


屋上でサイダーを片手に2人で並ぶ。


『もうみんなさいのう開花しちゃったのか･･･』


「きっと、荻原さんのおかげでした。」


『なにが？』


「みんながいままで、苦しくてもバスケを辞めなかったことです。」


『でも。いちばん肝心なときにわたしは役にたたないんだ』


「ち、ちが、」


そんな事を言いたかったんじゃない。そう言おうとしたけれど、言葉が詰まって何も言えなかった。


僕こそが役立たずだ。恩人を救うことすら出来ない。なんだかもやもやする。


『つーことで、たのしみにしててね？』


次の荻原さんの言葉で、僕は決めました。


『むこうに行って、もっとすごい人になってきて。つぎはもっとみんなのそばにいたい。』


────キセキの世代を、僕のバスケで倒すことを。


「僕もひとつ、決めました」


『そう？じゃあお互いがんばりましょう、ってかんじ？』


「ええ。荻原さんのためにも、僕はやってみせます」


『ほほほ！たのしみにしときます』


「荻原が帰ってきたら、また皆で笑いましょう」


あの日の僕らのように。

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