検索窓
今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:12,183 hit

あつし ページ18

初めてだった。



紫「・・・」ホッ



好きってのんなのか、わかんなかった。でも今日わかった気がする。



お菓子なんかよりもーっと、大切で食べちゃいたいくらいかわいいもの。



『・・・』



息は落ち着いている。風邪で鼻詰まりだからかな、鼻からピーピー音がする。



柔軟剤の匂いがする。それが俺を安心させる匂いだった。



紫「好きだよー。Aのこと、何よりも守りたい」



おれだけの、宝物であってほしい。お姫様であってほしい。



手を握ると、ふにふにしてて暖かい。普通の女子よりは大きいけど、俺にとってはちっちゃい。



すると、寝ぼけてるのかわかんないけど、棒みたいな目したままAがかすれた声を出した。



『わたしだって、あつしのこと、すき』



棒みたいだけど、その奥では琥珀糖みたいな目がきらきらしてるんだ。



掛け布団から右手を出して、おれの頬を柔らかくなでた。あぁ。俺大丈夫かな。



また眠りについたA。黒い髪がつやつやしてる。まつ毛が長くて色白。なんか絵画の人みたいだった。



《あら、紫原くん!見守りありがとうねぇ。》



赤「教諭を呼んできたぞ。交代してもいい。好きにしてくれ」



息を荒くして赤ちんが連れてきた先生。ゆっくりAの調子をうかがう。



紫「おれ、Aの荷物まとめてくる。さっちんと一緒に」



Aは橙野と部活仲間しか友達がいない。そして今日は部活がないから吹奏楽部員はもう下校済み。おれらで準備しなきゃいけない。



椅子からたって、扉に向かって歩こうとした時、



パシッ



『いかない、で』



《あらぁ!》



手を繋がれた。胸がきゅ、と締まった。かわいい



紫「3分以内に帰ってくるから、大丈夫〜」



頭をぽんぽんしたら、『そ、か』って言ってまた寝始めた。よほど疲れてたんだなぁー。



──────────



桃「よし、OK♪」



紫「ありがとー。女子いて助かったー」



さっちんに手伝ってもらって荷造りできた。保健室に運んでAのベッドの横に置いた。



『おかえり、あつし。ありがと、』



紫「うん。ただいまー」



にこにこわらっている。状態が安定したのかな。



《今日が金曜日でよかったわねぇ、土日はゆっくり休んで。部活もよっ》



『はぁい。あ、ねぇあつし』



Aはベッドから起き上がって、おれに手招きした。



『おれい』



そう言って俺の手に乗せたのは、三つのチロルチョコだった。

にじむらせんぱい→←ゆうひくん



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
15人がお気に入り
設定タグ:黒バス , 吹奏楽部 , 紫原敦
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

つゆロロ(プロフ) - あひるさん» ありがとうございます。荻原ちゃんの楽器についてですが、お好きなものを想像してください(笑)私的にはバリトンやユーフォなどの低音楽器をイメージしておりますが。初コメントうれしいです!これからもどうぞ、見守ってくだされば幸いです((*_ _) (2017年11月20日 19時) (レス) id: 3fbfa2c7b2 (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!因みに夢主ちゃんの楽器はなんですか? (2017年11月20日 1時) (レス) id: a0a203a011 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:つゆロロ | 作成日時:2017年11月7日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。