哀しい心とその聲に 【BORUTO】

教えて欲しい ページ40

シオンside




サクラ「美味しかった？」

シオン『ん』


よかったー、と笑うサクラさんに釣られて笑うと、笑って頭を撫でられた。


サクラ「シオンちゃんは笑ってた方が可愛いよ」


元から綺麗な顔なのにと笑うサクラさん。
それはお母さんが凄く美人だったから、だけど。

首を傾げて見ていると、好きな人とかいないの？と問われる。


サクラ「関わりとか少ないかも知れないけど、あの子達っていい子だから」

シオン『……すき、だよ。みんな』


でも、その中でもね、


シオン『でも、シカダイがいちばん』


やっぱりシカダイが大好きだよ。
こんなにどうしようもない臆病な私に構ってくれるのも、心配してくれるのも。
でも、面倒くさがりなのも。
どうしようもないところだって好きだなって思えるくらいには好きだよ。

そう笑ってみせると、そっかそっかぁ！とサクラさんが犬を扱うように頭を撫で回してくる。


サクラ「シカダイ良い奴だもん！カッコイイし」


親の遺伝かぁと笑うサクラさんは、とても嬉しそう。


シオン『さ、くらさん』

サクラ「どうしたの？」


私に、一つ教えて欲しい事がある。


シオン『すき、って、つたわる？』


好きってどうしたら伝わるのかな。
気持ちを言葉にしても嘘だと疑われるのかも知れない。
本心なのに疑われるのは私は嫌だ。

拙いけれど何とか問うと、サクラさんは驚いたように目を見開いたけれどそうだねぇ、と直ぐに考え始めた。


サクラ「シオンちゃんの気持ちをそのまま言葉にするだけでいいよ。
本当に大事なのは、伝える為の丁寧な言葉じゃなくて、その人を想う心を相手にどれだけ伝えられるか。
拙くても、伝えようと思うのが大事なの」


そう言うサクラさんは楽しそうで、そっか、と何処か納得した。
サラダはお父さんがなかなか帰って来なくて寂しいって言ってたし、口下手でお互い意思疎通は難しいとか言ってたけれど、愛情を感じられるから次を楽しみにしているって言ってた。
サクラさんも同じなのかも知れない。
サラダのお父さんは、きっと二人を大事にしているっていうことを行動で示しているんだろう。

なら、行動で示すべきなのかも知れない。

もう一回、お花買いに行こうかな。
この騒動の収束が早く着くことを祈り、木ノ葉の里へ帰った時の事を考えた。

皮肉→←ありがとう

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