花と危険 ページ24
シオンside
シカダイが明後日に試験があると帰った翌日。
買い物へ行こうとフードを目深に被って家を出た。
まったりと買い物をしていのじんの家に花を買いに寄ると、丁度店番をしていたいのじんが笑顔で手を振ってきたので近付く。
いのじん「調子はどう?……って、昨日会ったばっかだけど」
〈すこぶる快調〉
いのじん「君。そんな言葉使いしてたっけ」
〈覚えた〉
苦笑いを浮かべるいのじんは、ところでさ、と顔を寄せてこう言ってきた。
いのじん「シカダイとどんな感じ?」
また驚いて思わずスケッチブックで叩くと痛い!と声をあげたものの笑っていて、ただからかって遊んでいるだけなのだと直ぐに判る。
息を吐き出して顔を背ければ、ごめんごめん、と軽く謝るのでふいっと他所を向く。
すると、綺麗な鉢に植わった花が目についた。白に少し赤が混ざった、綺麗な花。
目を見開いて見ていると、気になるの?と声をかけられる。
いのじん「あの花はね、ベゴニアっていうんだよ」
ベゴニア……。
いのじんに依ると、あの花は人へ贈られることも多い花で、色を合わせて贈るのが良いらしい。
シオン『(シカダイ、喜ぶかな)』
花を少し撫でると、横に歩いてきたいのじんが私と同じように腰を落とした。
いのじん「因みにね、ベゴニアの花言葉は_____」
心臓に悪かった……。
あれからいのじんにからかわれ、花を購入してから今に至る。
帰路についた私は、手元で揺れる花が気になって仕方がない。
ベゴニアなんて初めて見たし、花言葉だって初めて聞いた。
でも、私は。これほど私にぴったりだと思った花を見たことも聞いたことも無かった。
シカダイに贈ることは難しいけれど。
だけど、これはきっと私を勇気づけてくれるから。
花を潰さないように抱き締めて笑うと、丁度家に着く。
鍵を開けて家に入ると、違和感を感じた。
人の気配と、微かな物音。
シオン『(…誰?)』
目を凝らして、迂闊に入らないようにと奥を見ていると、ふと影が後ろから伸びる。
シオン『ぁ……!』
逃げないとと本能で駆け出すと、目の前に現れて手首を掴まれる。
シオン『ぅ!……ぁ…っ!』
抱えていた花を床に落とし、腕を持ち上げられてばたつかせる足で花が散らばった。
「コイツが心音一族の生き残りか」
「さっさと逃げるぞ。里の奴等が気付かないとは限らない」
その声を最後に頭へ衝撃が走り、強制的に意識が落ちた。
.
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーキャラクター
伊豆野ワサビ
142人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
遊星(プロフ) - 儚奈さん» はい。待ちますので楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2018年12月26日 22時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
儚奈(プロフ) - 遊星さん» 更新停止…は、する予定無いですよ?大丈夫です、最後まで書きますよ! 待ってくださっている皆様の為にも頑張って早く投稿しますね(*^^*) (2018年12月26日 22時) (レス) id: 941560be5a (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2018年12月26日 22時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
儚奈(プロフ) - 遊星さん» そう言って頂けてとても嬉しいです(*^^*) だけど受験もあるので難しく……なるべく更新は早くしようと思いますが、亀更新はやはり拭えません。どうぞ気長にお待ちください……(´-ω-`) (2018年12月16日 15時) (レス) id: 941560be5a (このIDを非表示/違反報告)
儚奈(プロフ) - あほうどりさん» いやいやいや…本当に素材が良いだけなんです。こんなにも沢山の読者様がついてくださっているのも奇跡ですよ(^_^;) (2018年11月29日 16時) (レス) id: 941560be5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:儚奈 | 作成日時:2018年5月2日 22時