第28話。 ページ29
「母さん」
「あら、どうしたの」
「その、Aが、風邪ひいて……その、お粥を作ってあげたいんだ!」
「Aちゃんが風邪?どうしてそれを早く言わないのよ!それじゃあ作らなきゃね。でもここで作るのもあれだから……。カラ松、Aちゃんの家で作るから、これ持ってちょうだい」
鍋やら具材を持たされた。
「あっ、」
ぐ、重い……、だがこれはAのためだ。
「カラ松、Aちゃんの家の鍵とか持ってるの?」
「ふっ、合鍵をもって──」
「それ貸してちょうだい」
「あっ、はい」
ドアを開け、具材と鍋をキッチンに置く。
「Aちゃんの様子、見てきてもらえる?」
「了解だ」
念の為、冷えピタとタオルを持っていく。
一応、ノックをして一声かける。
「A……、大丈夫か?」
返事がしないのは寝ているからだろうか。
「入るぞ……?」
部屋に入ると、汗をかいて、寝ているAがいた。
冷えピタはもう既にぬるくなっていたので、剥がして、新しいのを貼ることにした。
汗をふき取って、新しい冷えピタを貼る。
「少し我慢するんだぞ」
そういえば、冷えピタを貼るとき、いつもAは目を瞑っていたな。
ぺたりと貼ると、冷たさで目が覚めたのか、Aは目を開けた。
「カラ松、くん……?」
「あ、起こしてしまったか?」
「んーん……大丈夫……。貼り替えてくれて、ありがとう……」
へにゃりと、笑うAに、少しどきりと胸が高鳴った。
「今、母さんにお粥を作ってもらってるところなんだ。少し待っててくれ」
「え、松代さん来てたの……?」
『ご挨拶してない……』と申し訳なさそうな声に、俺は『しなくても大丈夫だ』と言った。
「あの、カラ松くん……」
「どうした?」
「お粥できるまで、ここにいてもらってもいいですか……」
目元あたりまで、布団で隠して、言うAがとても可愛くて、俺は即答でオーケーを出した。
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金平糖(プロフ) - 夢沢夏美さん» わざわざコメントありがとうございます!とても嬉しいです!更新は遅いですが、気長に待ってくれると嬉しいです…! (2018年9月2日 22時) (レス) id: df27c0b327 (このIDを非表示/違反報告)
夢沢夏美(プロフ) - お買い上げありがとうございます!一読者として楽しみにしてまーす!設定はもう任せますからお気になさらずー! (2018年9月2日 21時) (レス) id: 3b66c3af26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:金平糖 | 作者ホームページ:(ヾノ・∀・`)ナイナイ
作成日時:2018年9月2日 21時